春の宴会シーズン
会話楽しんでゆっくり飲もう
イッキ飲みは絶対ダメ、昏睡から死に至ることも
飲めない人に選択肢を
「イッキ飲み防止連絡協議会」発行のオリジナルピンバッジ(2000個を希望者に先着順でプレゼント) |
新入社員歓迎会に新入生歓迎コンパ、そして花見、野遊会…。春は何かと飲み会の多いシーズン。でも酒はくれぐれも楽しく飲みたいものだ。イッキ飲みの強要は、命の危険すらともなう。飲酒を強要する危険性を訴えている「イッキ飲み防止連絡協議会」(以下協議会、本部・東大阪市)では、アルハラ(アルコールハラスメントの略。酒にまつわる嫌がらせ・人権侵害)の意識を測るチェックリストを作成し、リストを印刷したチラシを大学や居酒屋などに配るなど、キャンペーンを行っている。 固定観念取り除く 「隠れアルハラ度チェックリスト」(表参照)は全11項目。1つでも思い当たれば、アルハラをする可能性がある。もちろん、該当する項目が多いほどアルハラ度は深刻だ。 リストの中で例えば、「飲めない男性は男らしくない」、「女性がお酌するのは当たり前」などはセクハラ兼アルハラ。「訓練すればアルコールに強くなる」は、アルコールを受付ける体質に個人差があることを考慮していない。「未成年でもほんの少しなら飲ませても構わない」は、社会規範に対する意識の欠如から来るものだ。 「こういったアルコールの固定観念が、アルハラを助長する土壌を作り出している」と、協議会東京事務局の三浦恵さんは話す。 酒の席で、相手を意図的につぶそうとして飲ませる人は大多数ではない。アルコールを受付ける体質に個人差があるという知識がないため、「自分がいい気持ちだから他人も同じはず」と、善意で勧める人がかなり多い。これはある意味では、「酒席はだれでも楽しいもの」という固定観念から来るものだ。 これに、会社の上下関係、取引関係、学校の先輩後輩関係など、利害関係が加わると、問題はより複雑になる。勧める側に他意がなくても、勧められる側は大変な負担になるからだ。だからこそ、「アルハラを防ぐには飲めない人のために選択肢を増やしてあげることが大切」と三浦さん。 例えば、飲み会は自由参加にする。飲みたくない人、飲み会が嫌いな人もいるはずだからだ。 さらに、飲み会は好きでもお酒自体受付けない人や、仕事上のつきあいだからと無理して参加する人もいるかもしれない。そういう人たちのために、ジュースやウーロン茶などのノンアルコールを必ず準備しておいてほしい。 急上昇する血中濃度 例えば、体重60キロの人なら15度の酒1リットル近くを一気に飲むと、昏睡から死に至る。個人差、体調による差もある。だから、イッキ飲み、イッキ飲ませは非常に危険だ。 アルコールが体内で分解される速度は、体重に比例する。体重1キロにつき1時間にアルコール0.1グラムを分解する。たとえば、体重が50キロの人だと1時間に分解できるアルコールの量は5グラム。自分の体重に置き換えて計算し、コンパに行く前に予備知識として覚えていくことを協議会では求めている。(文聖姫記者) 詳しい問い合わせは同協議会東京事務局(TEL 03・3249・2551)。URL=http://www.ask.or.jp/ 携帯電話の「iモード」にもサイトを新設(http://www.ask.or.jp/i/)。 酔いの進み方、救急車を呼ぶべき危険な状態、アルコールの一単位など、危険回避に役立つ情報が得られる。
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