在日の歴史、なんでもQ&A
「外国人登録原票閲覧事件」とか?
小平警察署、長時間、不法に/狙いは朝鮮人の動向調査
小平市助役に抗議文を提出する総聯西東京本部の代表(96年12月)
Q 小平でおきた「外国人登録原票」閲覧事件とは?
A 東京・小平警察署が捜査を口実に小平市役所の外国人登録原票と市内への転出入に関わる書類を長期にわたって不法に閲覧し、在日同胞に対する重大な人権侵害を行った事件のことです。 事件が明るみにでたのは5年前の1996年、小平市役所とある市民団体との交渉の場でのことでした。 事件発覚後に発足した「日朝共同調査委員会」の調査によると、同年9月17日、小平警察署は小平市役所に対し、出入国管理及び難民認定法違反捜査のため、職業、渡航歴、指紋まで記載された個人データの集成である市内全外国人の登録原票を閲覧したいと請求。市役所側は警察の求めに躊躇(ちゅうちょ)なく応じ、市職員の立会いもないまま、登録関連書類を閲覧させていたといいます。また警察による閲覧が毎年1回、定期的に行われていたという事実も明らかにされています。 つまり小平警察署はすべての外国人を犯罪容疑者と決め付け、それを根拠に外国人の生活動向を日常的に探索し監視していたのです。 しかし警察の真の狙いが外国人一般ではなく、在日朝鮮人の動向を調査し、弾圧の根拠を求めていたことは疑いのないことです。それは、市内外国人の70%が朝鮮大学校と金剛山歌劇団の関係者ら在日同胞であることや、かつて小平警察署の警察官が大学の正門付近で学生を待ちうけ、意図的に登録証の提示を求める事件が頻発していた事実からも明らかです。 同胞たちのたたかいの結果、小平市は翌年3月、正式な謝罪と再発防止を約束し、謝罪文を市報にも掲載しました。しかし警察は適法におこなわれたと開き直り謝罪を拒んでいます。 この事件は「外国人登録法」が、現在も在日同胞を取り締まる治安立法としての機能を存分に果たしていることを示した事件と言えます。(金大遠、研究家) |