取材ノート
大阪同胞の「ハナ」パワー
3月25日に大阪ドームで行われた「大阪ハナ・マトゥリ」。大阪在住の同胞、府下の日本市民ら3万人以上が集まり、大成功を収めた。
事前に開催者から、「3万人を超える」と聞いてはいたが、それがどれほどの規模なのか皆目見当もつかず、前日は緊張と不安でまんじりともしない夜を過ごした。 当日、会場の熱気は想像をはるかに超えていた。オープニング、舞台の上が一気に照らされる。手を取り合い、肩を組みながら歌い踊る在日同胞、日本市民、南朝鮮からの出演者。総聯、民団の両同胞も所属と信条を超え1つになった。 「これが同胞たちのパワーなんだと改めて実感した」。平野区の崔善貴さん(29)は興奮を押さえきれない様子で語った。 イベントを成功させるために、大阪の同胞たちはあらゆる準備を重ねてきた。アボジ、オモニたちは週末、仕事や家事の忙しい合間をぬって各地の朝鮮学校に集まり歌の練習に励んだ。「チェンガンの舞」に出演した中級部の生徒たちは、初めて踊る作品の動作を必死に覚え、当日は大人でも難しいとされる踊りを完璧にこなした。 「統一と民族の団結を願う私たちの思いが伝わればうれしい」と出演者の1人は語った。集まった3万人すべての心に共通する思いだったと思う。限られた時間の中で準備に奔走した彼らのパワーは、この「ハナ(1つ)」の思いから生まれたに違いない。 昨年、北南両首脳が合意した6.15共同宣言には、民族同士が互いに力を合わせて統一を自主的に解決することが明記されている。 宣言を支持する同胞たちが慈しみ育ててきた祖国の統一と民族の和合、日本の人々との真の友好親善を願う思いがこの日、大きく花開いた。団結が大きな力を生んだ瞬間、コリアンパワーを目の当たりにした1日だった。(李明花記者) |