入学、入社シーズン
自炊始めるセセデに栄養面で守ってほしいこと
管理栄養士 李和枝さんに聞く
入学、入社シーズン。新入社員や大学新入生の中には、1人暮らし、自炊を始める人も少なくないだろう。だが、最近の若者はコンビニ弁当やファストフードに頼ってしまい、栄養が偏りがち。そんなセセデ(新しい世代)に、どのような食生活をすればよいのか、コンビニをうまく利用する方法も含めて管理栄養士の李和枝さん(41)にアドバイスしてもらった。
主食、たんぱく質、野菜(肉、魚など) 3品をバランスよく取る 1日3回の食事は必ず まず大切なのは、1日3回の食事をきちんと取ること。食生活や食習慣は個々の生活サイクルが違うことから、人によっても千差万別ですが、時間帯も含めて必ずきちんと取るよう心がけてほしい。 では、具体的にはどういったものを食べた方がよいだろう。食品選びの目安を述べてみたい。 まずは主食。その代表がごはんだが、これがパンやめん類(日本そば、スパゲティーなど)に変わっても構わない。 次に主菜と呼ばれるもの。よく「本日のメインディッシュは?」と、こんなフレーズを目にしたことがありませんか。栄養素で表すと、身体にとって一番大切なのはたんぱく質である。たんぱく質は、身体の構成成分で大切な働きをする。例えば、病気に対する抵抗力のもととなり、筋肉、血液、皮膚、爪などの主成分はすべてたんぱく質からなっている。 たんぱく質を食品で例えると、魚、肉、たまご、豆腐(大豆製品)の四つ。肉、魚の場合は、ハム、ソーセージ、かまぼこなどの加工食品も含まれる。朝、昼、晩の食事にこのメインディッシュを必ず取り入れてほしい。 最後にもう1つ。副菜と呼ばれるものです。野菜、海藻類、きのこなど。野菜は生で食べてもよいし、煮たり、炒めたりと調理方法を工夫し、しっかり食べてください。最近では電子レンジでチンすれば手軽で簡単ですよね。 このように最低でも、朝、昼、晩の食卓に主食、主菜、副菜の3品を整え、しっかり食べていただければ、栄養が偏ることはありません。 しかしさらに、ここにプラスしてほしいのが牛乳1本またはヨーグルトと果物1個。乳製品を食べると、どうもお腹がゴロゴロする人は6Pチーズ1個に変えてもOK。 食べ方としては、「おやつ」、またはのどが渇いた時などを利用して食べると、スナック菓子や炭酸飲料に偏ることも防ぐことができるのでは。 さらに、20分程度のウォーキングを1日2回。会社通勤を利用し、有酸素運動をしましょう。筋肉を鍛え基礎代謝を高める効果があり、脂肪も燃焼できる。 歩き始めたら休まず20分間、歌を口ずさむような感覚で酸素を体内にたくさん取り入れましょう。
6つの基礎食品
忙しいあなたに/かんたん朝食メニュー
▽朝忙しい時に簡単にできて、しかも栄養バランスの良い朝食メニュー例 ・主食 冷凍ごはんをレンジでチン。忙しい朝もこれなら大丈夫。 ・主菜 たまご料理を一品用意しましょう。たまご、納豆などは長期間保存もきき、しかも低コスト。栄養にも優れた食品です。 ・副菜 朝忙しい時に野菜の煮物などを作るのはとても大変。そういう時にはみそ汁かスープを作って、そこに昨晩使った残り野菜をそのまま入れて「具だくさんみそ汁」の出来上がり。 例えば、昨晩焼肉を作って残ったにんじん、玉ねぎ、もやしなどもスープに仕上げれば、とてもおいしい一品の出来上がりです。 ▽コンビニを利用してできるバランスのとれた昼食メニュー例 ・主食 白いごはんを1つ購入。おにぎりやロールパンでも構いません。 ・主菜 たんぱく質をとるために、夏なら冷奴のセット、冬ならおでんの中から煮玉子なんてどうでしょう。 ・副菜 野菜をとるために、ほうれん草のごまあえ、きんぴらごぼうなどのそう菜を選択。もちろん、キムチ、浅漬けなどでもOK。一品でも二品でも結構です。 李さんのワンポイントアドバイス みなさんはよくコンビニに行くと、お弁当セットやスパゲティーなどを手っ取り早く購入していませんか。でも、こうして一品ずつうまく買うことで、塩分も控えめに、余分に脂肪をとりすぎることもなく、とてもバランスの良い食生活になります。 コンビニもこのように利用してみればいかがでしょう。 |