春・夏・秋・冬

 先日、友人が朝日新聞大阪版に掲載された「『日本不信』韓国で再燃」(22日付朝刊)という記事を送ってくれた。「新しい歴史教科書をつくる会」が編さんし現在検定中の民族べっ視、排外主義で一貫した、歴史という名に値しない教科書の内容を取り上げたものである

▼記事は、ジャーナリスト出身の2人の南朝鮮与野党国会議員の話と取材記者の解説で構成されているが、とりわけ李富栄氏(ハンナラ党副総裁)の歯切れのよい語り口が印象に残った

▼「(韓日条約締結時)過去の問題に適切に対処しなかったから日本で歴史教科書のわい曲問題が出てくる。韓国併合は日本の武力による強制だった…それを日本は合法だと言い続けてきた」「朝・日間で条約を結ぶときは、韓日基本条約もいま一度、論議されるべきで、可能なら日本と再協議できるといい」

▼そして「日本から感じるのは、朝鮮半島に対して常に支配者意識を持つか無視しようという態度で、歴史を反省しようという気持ちは伝わってこない」と述べ、最後に「(南北が)和解と協力、さらに平和統一に向かう過程で、せめて妨害だけはしてほしくない」と締めくくっている

▼ソウル大学生時代、条約反対闘争の先頭に立ち、米国の指示によって強引に締結された後は、その一方の当事者である朴正煕軍事独裁政権退陣、不正腐敗暴露のペンを取った人物だけに納得のいく内容だった

▼不法な植民地支配――。財産・資源略奪、強制連行、「従軍慰安婦」、被爆者問題など、過去は何も解決されていない。(彦)

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