5月に最終判決、運動継続訴える

「市民が最高責任者を裁いた」

「女性国際戦犯法廷」報告集会


報告集会では昨年12月に行われた
「女性法廷」の意義を再確認した(20日、東京)


 報告集会「『女性国際戦犯法廷』は何を裁いたか―『法廷』の評価と今後の課題」(「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク=VAWW−NETジャパン)が20日、東京・渋谷区の東京ウィメンズプラザで開かれた。会場には定員をはるかに超える500人以上の人が詰めかけ、「法廷」が広げた波紋の大きさをうかがわせた。

 VAWW−NETジャパンの松井やより代表が全体報告を行い、昨年12月に行われた「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」の最大の意義は、被害国、加害国のみならず国際市民社会の力で日本軍性奴隷制の最高責任者を人道に反する罪で裁いたことだと述べた。そして、判決とともに日本政府や国連、旧連合国に対して出した10項目の勧告を今後いかに履行させていくかが課題となると指摘した。

 「法廷」の記録ビデオ上映に続き、民衆法廷としての「法廷」の意義について基調報告した川口和子弁護士は、民衆法廷の権限の源は民衆、つまり1人1人の国際市民にあるとして、判決と勧告内容を実現させるため、5月の最終判決後、より力強く運動していく必要性があると述べ、そうしてこそ判決の執行力が生じると指摘した。

 また被害回復からみた「法廷」の意義について基調報告をしたVAWW−NETジャパンの西野瑠美子副代表は、死者であっても被告を裁く目的は、復讐ではなく正義の実現だと強調した。

 次に内海愛子・恵泉女学園大学教授(東京裁判の見直しの視点から)、高橋哲哉・東京大学助教授(「裁いた」ことの意義)、大越愛子・近畿大学助教授(性暴力を暴いた意義)、阿部浩己・神奈川大学教授(国際法の市民化)、東澤靖弁護士(国際刑事裁判所と「法廷」の相互作用)がパネルディスカッションを行い、様々な角度から「法廷」の意義を再確認し、今後の課題について意見交換した。

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