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侵略美化の歴史教科書
アジアの信頼得られぬ

大江健三郎氏ら学者・文化人らが声明

 作家の大江健三郎氏、坂本義和・東大名誉教授、隅谷三喜男・元東京女子大学長、三木睦子・元首相夫人ら学者、文化・宗教関係者17人が16日、侵略戦争の史実を美化した「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書はアジアに損害と被害を与えた認識も反省の姿勢も見られない、と非難する声明を発表した。

 東京・永田町の衆院議員会館で記者会見した代表らは、文部科学省に検定申請された歴史教科書はいずれもアジア諸国に対する加害の記述を大幅に後退させている、と憂慮を表明。とくに「つくる会」の教科書は、「韓国併合」が合法的であったと記述するなど、日本の植民地支配が朝鮮民族に甚大な損害と苦痛を与えた事実を無視している、と指摘した。

 代表らは「いちばん重要なのは日本政府の対応」だと強調。自国を美化する歴史観に基づいた教育では、アジアと国際社会で信頼を得て生きて行くことが困難だ、と深い危ぐを表明しながら、文部科学省が「つくる会」の教科書を合格としないよう求めた。代表らは同日、国会内で福田官房長官、河野外相に声明文を提出した。

移動動物園 プレゼント

動物とのふれあい
オモニ会が子どもたちに

 城北朝鮮初級学校(大阪市旭区)で14日、第3回移動動物園が実施された。今年で3回目となったこのイベントは、同校オモニ(母親)会が学年度の活動の最後に、子どもたちに何かプレゼントできないだろうかと2年前に始めたもの。

 当日は、豊能市の「こどもどうぶつえん」から、馬、ロバ、子牛、七面鳥、ホロホロ鳥、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ニワトリ、アヒル、ガチョウなど各種の動物が同校運動場に勢ぞろい。子どもたちは指導員の説明を受け、抱いたり触ったり、用意したえさを与えたりして、動物たちと触れ合い楽しく過ごした。「直接触れるのが楽しい」「ニワトリが卵を産むところを目の前で見たのがおもしろかった」など喜ぶ子どもたちの声に、オモニ会ではぜひ来年も続けようと話し合っていた。【城北初級オモニ会一同】

日本の歴史わい曲教科書を
歴史15学会が非難

南朝鮮

 報道によると、「韓国史研究会」「韓国史学史学会」「東洋史学会」など南朝鮮の15の歴史関連学会が19日、歴史教科書に象徴される日本の歴史わい曲の動きを非難する声明を発表した。15の学会は、各分野の歴史学者3000人を網羅しているが、南朝鮮の歴史関連学会が日本の歴史わい曲を反対する共同行動をとるのは今回が初めて。

 代表らはソウル市立博物館講堂で共同声明を発表、日本の歴史教科書の視点は過去の「皇国史観」に回帰しており、歴史の真実から目をそらしている、と非難。侵略戦争を美化してはならない、と警鐘を鳴らした。

性奴隷、強制労働の補償を

ILOが日本政府に勧告

 報道によると、8日からジュネーブで開かれている国際労働機構(ILO)理事会に2000年度のILO条約適用勧告専門家委員会の年次報告書が提出され、公表された。報告書は日本の項で2年ぶりに再び「慰安婦」、強制労働問題を取り上げ、これらは強制労働を禁止した1930年29号条約(日本も32年に批准)違反だと断定。さらに、「慰安婦」問題については、「多くの請求者が『女性のためのアジア平和国民基金』を受け入れられるものではないと考えている現実から、遅きに失する前に被害者の期待に沿って補償するための他の方法を見出だすよう」求め、強制労働についても「被害者の年齢を考慮し、被害者の請求に応えるよう希望する」と日本政府に勧告した。

在朝鮮被爆者は1353人

日本政府初の調査団が会見

 報道によると、朝鮮の被爆者実態調査のため訪朝した日本政府の初の調査団が17日、北京で記者会見し、朝鮮在住の被爆者が「反核平和のための朝鮮被爆者協会」の調査で1353人にのぼり、そのうち生存者は昨年末時点で928人(平均年齢69歳)で、日本政府に補償を求めていると明らかにした。

 団長の佐藤重和・外務省アジア大洋州局参事官によると、調査団は平壌市内の医療施設などを視察した。

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