創立45周年迎える朝鮮大学校
活発な課外研究
注目度ナンバーワンの「国際関係論」研究サークル。 |
今年、創立45周年(4月10日)を迎える朝鮮大学校。現在、8つの学部(政治経済、文学、歴史地理、経営、外国語、理工、教育、体育)に34の「課外研究サークル」があり、開校以来、毎年年末に開かれている「学科別研究討論会」での研究・発表を通じて、それぞれの内容を深めている。学生の多くがここでの研究成果をふまえ、大学生活の集大成となる卒業論文作成に取り組んでいる。活躍が期待される3サークルを紹介する。(李明花記者) 民族性守るのが最も重要 政治経済学部「在日朝鮮人運動論」研究サークル 政治経済学部の「在日朝鮮人運動論」研究サークル。総聯の運動方針や、「参政権」論議の問題点など在日朝鮮人運動に関連するあらゆる問題を扱う。 責任者は金永哲さん(2年)。「在日同胞に関するものなら何でも意見をぶつけあう」。 メンバーは現在10人で、週1回学習会を開いている。昨年11月の総聯中央第18期第4回会議後は、会議での報告を精読し、「今若い世代に要求されていること」について繰り返し話しあった。その結果、「在日同胞社会で愛国愛族精神の代を継いでいくためには、民族性を守っていくことが一番重要だ」という結論に達した。 「学科別研究討論会」では、在日朝鮮人の民族的アイデンティティーの確立や「帰化」問題などに関する論文を発表した。 今後は朝大生を対象にしたシンポジウムや、日本の大学に通う留学同メンバーらとの交流を実現したいと意気込んでいる。 「これからの同胞社会は自分たちの肩にかかっている」――そんな使命感を胸に抱くメンバーは、統一世代として在日朝鮮人運動をさらに発展させようと、研究に余念がない。
外国語学部「国際関係論」研究サークル 責任者の沈圭哲さん(3年)は、「昨年の6・15共同宣言や朝米共同コミュニケ発表以降、人数がどんどん増えていった」と語る。 扱う内容は大きく分けて朝米関係と、そのほかの国際情勢の2つ。2週間に1度放課後に集まり、研究発表とディスカッションを行う。新聞のスクラップ、関連資料の収集を繰り返し、論文を作成。昨年の「学科別研究討論会」では個人、グループを合わせて十編の論文を発表した。題名は「2000年朝鮮の対外活動における勝利と歴史的意義」「カシミール紛争におけるインドとパキスタンの核対決」など。 「内容を深めれば深めるほど世界を見る視野が広がる。それに探求の面白さも増す」と、メンバーのだれもが口をそろえる。 今後はさらなる動きが期待される、朝鮮半島を取り巻く国際情勢についてよりいっそう注目していくという。 教育学部「民族教育」研究サークル 教育学部の「民族教育」研究サークルでは現在、朝鮮学校と日本学校の教育内容を対比、検証する論文を作成中だ。 朝鮮学校の民主主義的民族教育と少年団活動を通じた子どもたちの成長過程を、大学での授業や現場での実習、取材を通して調べる。一方で新聞資料や参考図書などから、学級崩壊やいじめなど日本学校で起こっている様々な問題をピックアップし、各自が2週間に1回発表する。 責任者の河秀明さん(2年)はレポートを作成しながら、「自分が受けてきた民族教育の大切さを改めて感じるようになった」と語る。 8人のメンバー全員が教育者を目指しているだけに、それぞれが子どもたちに民族心を植え付けてあげたいという夢で胸をふくらませている。 今後は教育者としての資質をいっそう高めるため、児童・生徒をどのようにして民族の一員として育てて行くべきかという教育論についても研究を進めていく予定だ。 時には「民族」を身を持って体験しようと、朝鮮料理教室を開くことも。料理に舌鼓を打ちながら、子どもたちの未来についての談義に花を咲かせていた。 |