植民地支配の清算

朝・日修交で解決を

市民団体が東京でフォーラム


 公開フォーラム「南北和解と戦後補償を考える」(主催=戦後補償ネットワーク、戦後補償の実現を!日韓市民連帯共同委員会など)が3日、東京・飯田橋のシニアワークで開かれた。朝鮮の被害者団体と交流するため、15日から代表団を組んで訪朝する、元日本弁護士連合会会長の土屋公献弁護士ら40余人が参加した。

 集会の1部ではフォトジャーナリストの伊藤孝司氏が「朝鮮民主主義人民共和国の植民地支配・戦争犠牲者」と題して報告。腹部や口の中に入れ墨された性奴隷被害者をはじめ、強制連行被害者、広島、長崎の被爆者たちの姿をスライド写真で紹介、彼らの暮らしぶりと思いを伝えた。4度にわたって朝鮮を訪れた伊藤氏は、「今まで南朝鮮の被害者もたくさん取材してきたが、北の被害者も南同様、日本を厳しく批判していた」と語り、民間レベルの交流を活性化し、被害の実態を知ることが重要だと述べた。

 2部では「南北和解の意義と戦後補償」と題して荒井信一・駿河台大学教授が問題提起を行った。荒井 教授は、日朝修交時の条約で「韓日併合条約」をはじめとする旧条約の無効を 明文化すべきだと強調、植民地支配を清算出来なか った「日韓条約」の轍を踏んではならない、と訴えた。

 集会では、南朝鮮国会に旧条約の無効を求める決議案が上程(昨年11月)されたり、昨年12月の女性国際戦犯法廷で北南朝鮮の民間団体が共同起訴状を作成するなど、6・15共同宣言後に芽生えた新しい動きが紹介された。南朝鮮での裁判運動を支援している市民団体のメンバーは、「『日韓条約』が大きな禍根を残しただけに、日朝国交正常化交渉に対する期待は大きい。南北の和解も追い風にし、過去の清算問題が大きく前進するよう、闘って行きたい」と意気込んでいた。

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