取材ノート
アイデア駆使した母校支援
最近、朝鮮学校を支援する動きをいくつか取材した。
教育会を通じたマイラインプラスの加入、商工会を通じた日本の業務用総合食品卸売商社からの食品購入、教育会を仲介したビル・建物の電気保安業務の紹介など、いずれも手数料などが学校の運営に回される仕組みだ。 朝鮮学校の運営を支える運動はこれまでも多数取り上げてきたが、今回紹介した内容は同胞らの負担を少しでも軽くし、同胞と学校の双方にメリットが生じるというところに特徴がある。 これまでキムチの販売を手がけてきたある地域では、オモニたちがわざわざ時間を割き、汗を流して作っていたが今では同胞業者に委託・購入し、販売している。 力と心で尽くしてきた運動も、今ではアイデアを最大限に駆使する運動へと転換しているのだ。 解放直後、1世らが建て子どもらに民族の言葉と文字を学ばせた学校を、今は2、3世らが受け継ぎさらに発展させようとするのは、例え日本社会にいても同胞らが民族的素養を培い、朝鮮文化を次世代に伝えていこうとするためだ。ある同胞は母校を守るために、世帯を築いても住む所は地元、子どもは母校へ、と同窓生をはじめ先輩や後輩らにも呼びかけているという。 今年は中等教育実施55周年にあたる。各学校で各種イベントが催される。先日、四国初中で行われたイベントでは、10年前の学校創立45周年に際して埋めたタイムカプセルを掘り起した。カプセルのなかからは「トランペット独奏で金賞」「在日のF1チームを結成」「夢は保母さんとピアノの先生」など、むじゃきながらもロマンあふれる「夢」が出てきた。様々な思い出がこもった学生時代。そんなところから、母校を愛し、支援しようとする運動が拡大していくのだろう。 (羅基哲記者) |