知って得する身体の常識
不眠解消は腰湯で
眼のけいれんは肝臓の赤信号
身体にまつわる常識には、意外と知らないものも少なくない。そんないくつかをひろってみた。
▽夜更かしすると必ず眼の下にくまができるのはなぜ。 くまというのは、実は肌の状態ではなく血液の状態を現している。というのも、目の下は皮膚が薄くて血管が透けて見える場所だからだ。したがって、くまは血液が濃くなって黒ずんでいる様子を現している。 黒ずむ原因が睡眠不足だ。血液は骨髄で、主に夜にまとめて生産される。だから、1週間、10日と寝不足が続くと、骨髄が血液を作る時間がなくなり、汚れた古い血液が使い回されてしまう。その状態がくまとなって現れる。 くまが目立つようになったら赤信号。たっぷり睡眠をとって、血液をリフレッシュさせることを薦める。 ▽身体は疲れているのに眠れないのはなぜ。 身体はひどく疲れているのに、なぜか目が冴えてしまって――そんな経験をした人は少なくあるまい。その原因はずばり頭蓋骨にある。頭蓋骨が緊張したままで固くなりすぎると、身体が疲れていても眠れないということになってしまう。 頭蓋骨をゆるめてあげる方法が腰湯。バスタブに入り、へそが隠れるくらいまでお湯につかる。お湯の温度は手を入れてやや熱いくらいがいいが、必ず手を入れて確かめること。本を読んだり、音楽を聴くなどして5〜15分ほどリラックスしよう。上半身はTシャツやタオルで冷やさないように。上半身全体から汗が出てくるはずだ。 これを毎日続けることによって、頭蓋骨をゆるめることができるようになり、不眠から解放される。 ▽寒い場所から急に温かい場所に移ると、手や背中がかゆくなるのはなぜ。 これは「超ドライスキン状態」に対する警告。もともと乾燥肌なのに、石鹸などで洗い過ぎて皮膚を守るキューティクルがはがれてしまった時に起きる現象と同じだ。 こんな症状が出た場合は、しばらく石鹸を使って洗うのを控え、肌に潤いが戻るようにしてほしい。 ▽まぶたがぴくぴく動くのはなぜ。 これは肝臓の疲れが原因と考えられる。というのも、目と肝臓は密接に関係しているからだ。 肝臓が慢性的に疲れているときに、まぶたや目の下がぴくぴくけいれんする。こうなったら、肝臓はそろそろ限界。お酒を控えるなどして休ませてあげる必要がある。食べ過ぎたり、仕事などで目を使い過ぎるのもよくない。 散歩やジョギングなど、いつもと違うことで肝臓の熱を下げてあげることが大切だ。あとはひたすらリラックスにつとめることだ。 ▽夕方になると足がむくむのはなぜ。 このようなケースは、立ち仕事をしている人などに多い。 長時間同じ姿勢でいることで、血液やリンパの流れが滞り、心臓のポンプで血液を全身へ行き渡らせることができなくなる。そうすると、老廃物が排出されず下半身に溜まる。その結果、足がむくむ。 このままの状態で放っておくと、代謝が悪くなり、足は確実に太くなるから要注意だ。時々足首を回したり、軽くエクササイズやマッサージをして血液の流れを助けてあげるとよい。その日のむくみはその日のうちに解決することが大切だ。 普段から運動をして足に適度な筋肉をつけておくと、筋肉が内側から血行の流れを手助けしてくれるようになる。 酢で身体が軟らかくなるの?/体にまつわる俗説 ちまたでよく耳にする身体にまつわる俗説。その真偽を明かすパート2。 ▽酢を飲むと身体がやわらかくなる これはまったくのうそ。魚の唐揚げを酢に浸しておくと、骨がやわらかくなり骨ごと食べられるようになることから、このような俗説が作られたのでは、と思われる。酢がカルシウムを溶かすのは確かだが、骨までやわらかくできるわけではない。からだがやわらかいか否かは、関節の柔軟度によって左右される。 ▽手の冷たい人間は情が深い これには一定の根拠がある。女性に多くつく皮下脂肪は熱を通さない。したがって、ふっくらして丸い手の女性は手のひらが冷たくなる。皮下脂肪が多いということはその代謝をつかさどる女性ホルモンが多いということ。これがすなわち女らしいと思われてきた根拠だ。しかし、これは昔の話。今では、低血圧の女性も多く、彼女らは決まって手が冷たい。ダイエットのしすぎでやせ気味の女性も手のひらが冷たい。さまざまなストレスを抱えて神経質になった女性もまた手が冷たい。 ▽毛はそると濃くなる これは誤解に過ぎない。毛を剃ると、新しく生えてくる毛は、先を切り取られるので、太い切断面のまま生えてくる。だから、濃くなったように感じる。 ▽おへそのゴマを取るとお腹が痛くなる これは本当らしい。おへそは他の部分と違って下に筋肉がなく、奥はいきなり腹膜に続いている。腹膜は、肝臓、胃、大腸、小腸などを包んでいる人体の中で一番大きな膜だ。へそのゴマ(垢)を取ろうとして奥をいじりすぎると、この腹膜が刺激されて痛み出すことがある。へそのゴマを取る時は、ベビーオイルを数滴たらして、ゴマをふやかしてから綿棒で軽く拭き取ると良い。 |