記者が行く−体験コーナー
赤ちゃんの沐浴
体を洗ってあげる時はゆっくり、丁寧に(左)後ろを洗い流す時は赤ちゃんの腕を挟み、手のひらでしっかり受け止める |
様子確かめ、手で支え、丁寧に/人形で実践、冷汗出る大変さ
最近は、育児に積極的に参加するお父さんが増えている。記者もいつかはアボジになる身。育児の知識は知っていて損はないと、東京・練馬区にある桜台保健相談所で行われた「パパの育児教室」に参加した。 参加者は全員で25組。区内在住の出産を控えた夫婦が対象だ。参加者のほとんどが20代前半から後半の夫婦。中には来月出産予定というカップルも。 育児の中でも気を使うのがお風呂に入れること。ということで、この日は、赤ちゃんをお風呂に入れる「沐浴実習」が行われた。 4つのグループごとに保健婦の先生が1人ずつつく。記者のグループを担当してくれたのは保健婦の小渕祥子さん。 「赤ちゃんは基本的に毎日お風呂に入れてあげてください」と小渕さん。皮膚の汚れを落としてあげることで、赤ちゃんを良い気持ちにさせてあげられるからだ。体の具合を観察するよい機会でもある。 小渕さんが初めに教えてくれたのは、沐浴の前に赤ちゃんの様子を必ず確認することだ。最も気をつけねばならないのは熱が高いかどうか。そのためには、平熱をつねに知っておくことが大切だ。平熱より1度以上高い場合は要注意だ。 次に行うのは浴槽の準備。浴槽にはベビーバスやたらいを使う。お湯の温度は、夏は38〜39度、冬は39〜40度ぐらいに設定する。入浴時間は3〜5分。服は最初からセットしておく。準備段階で、すでに育児の大変さが垣間見え、多少不安に。 赤ちゃんの人形を使い、いざ実践。表情のない人形をあやしながら、お風呂に入るのを楽しみに待っている赤ちゃんを一生懸命に想像してみる。すると人形が本物のように思えてくるから不思議だ。 さて本番。まず、煮沸綿で額から算用数字の「3」を描くようにふく。次に頭に石けんをつけ指先で軽く洗い、タオルでふく。その後、衣服を脱がせ首、脇の下、腕、胸、腹、足、背中、股部の順に洗う。腕と足は手の平で軽く握って洗い、その他の部分は親指と人差し指を使いていねいに洗う。 全身を洗ってあげたら、沐浴布を体にかぶせ、足の方から静かにお湯の中へ。だが、支え方が分からない。あたふたしていると、「左手で首、右手でおしりをしっかり支えてあげて」と小渕さんからアドバイスを受ける。この時、赤ちゃんをお湯の中に落とさないようにとあせったせいで、冷や汗が…。落ち着いたところでアドバイス通りにお湯の中へ。 次に、洗い布で石けんを洗い落とす。なにか次第にアボジになった気分に。続いて後ろも洗い流してあげないといけないのだが、まず赤ちゃんの左腕を人差し指と中指ではさみ、赤ちゃんの胸の部分を手の平のふくらみで受け止め、後ろに向け背中を洗い流す。洗い終えたらバスタオルの上に寝かせ、水分をふきとり衣服を着せ、無事終了。 意外と簡単かも、と思っていたら「今日は人形だったのでじっとしていて楽だったでしょう」と小渕さん。痛い所をつかれた。確かに本物だとこうはいかない。 これから育児をされるアボジたち、一度保健所へ行って育児の大変さ、そして大切さを体験してみては。(金明c記者) |