子どもたちに素敵な未来を
華やかな舞台 1300人が観賞
「2月の芸術の夕べ」朝・日友好ハーモニー
東京・新宿文花センター
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東京朝鮮歌舞団と北関東朝鮮歌舞団女性歌手による重唱 |
観客席からは曲が終わるたびに盛大な拍手が送られた |
朝鮮と日本の友好親善への熱い思いを込めて、「2月の芸術の夕べ―21世紀はこの歌から始まる… 春を呼ぶ日・朝友好のハーモニー」(主催=同実行委員会、朝鮮側―朴喜徳会長、日本側―林亮勝会長)が21日、東京・新宿文化センター大ホールで開かれ、在日同胞、日本の市民ら約千三百人が観賞した。18回目を迎える今回の公演には、由紀さおり・安田祥子姉妹、東京朝鮮中高級学校合唱団と杉並児童合唱団、朝鮮歌舞団(東京・北関東混合)が出演。観客らは、美しい歌声が織り成す華やかなステージを満喫した。 由紀さおり・安田祥子姉妹/動揺、朝鮮の歌を熱唱 杉並児童、東京中高合唱団、朝鮮歌舞団/朝・日合作曲も ―心と心でこんにちは 隣同士で肩組んで 丸い輪になりこんにちは 明日の未来に輝く朝日 … 2月の歌親善の歌― 第一部は、東京中高合唱団と杉並児童合唱団、朝鮮歌舞団による、「愛の絆」の合唱で始まった。朝・日合作曲で、同公演のテーマ曲でもある。日本側の司会を担当した中寛三さんは、「21世紀の幕開けと、同公演のテーマにふさわしい」と強調した。 続いて、歌舞団メンバーが朝鮮の歌を2曲を披露した後、遥か海を越えてたどり着く祖国へ思いをはせながら、異国の地で朝鮮民族の誇りを胸に生きていく心をつづった「海がみえる教室」、慶事に歌われる朝鮮民謡「トンドルラリ」を、東京中高合唱団が声高らかに歌い上げた。 杉並児童合唱団は、全14曲からなるディズニーメドレーを披露。足踏み、手拍子を打ちながらの愛敬ある振り付けと清らかな歌声は、観客の心を和ませた。そして、1部を締めくくったのは両合唱団による「赤とんぼ」と「アリラン」の合唱。二曲をひとつにつなげたアレンジ曲で、リハーサルを含めて2回しか合同練習を行わなかったにもかかわらず、息もぴったり、美しいハーモニーを奏でた。 第2部、同公演のメインとなる由紀さおり・安田祥子姉妹が、目の覚めるような真っ白なイブニングドレスをまとい登場。 まず、「春の小川」「ちいさい秋みつけた」など、季節を彩る童謡をメドレーで9曲披露した後、「愛」をテーマにした新曲を3曲熱唱した。 そしてフィナーレ近くになって「一生懸命練習した」という、古くから朝鮮で歌い継がれている「半月」(パンダル)を朝鮮語でしっとりと歌った。アンコールにも応え、日本の童謡「ふるさと」に続き、朝鮮の歌「思郷歌」を歌舞団とともに朝鮮語で披露した。 息の合った絶妙なトークで会場を沸かせつつ、情緒豊かな歌で観客の心をとらえた2人。「音楽を通じて、日朝の子どもたちに素敵な未来を届けたい」と、幕が下りるなか、声援を送る観客らにいつまでも明るい笑顔で手をふっていた。(文・李賢順、写真・姜鐘錫記者) 音楽交流から友好促進を 1部終了後、清水澄子参議院議員は、「子どもたちの歌を聞いて心が洗われるようだった。とにかく感激している」と少し興奮した様子。「音楽文化の交流が、日朝間の政治的な関係改善へと発展するよう努めたい」と語った。 劇団俳優の矢野宣さんは、「日朝間で良い関係を築いていきたいというみんなの気持ちが、自然ににじみ出た素晴らしい公演だった」と感想を述べた。 今年で3回目の出演となる杉並児童合唱団の代表・志水隆さんは、1部の公演で指揮をした。かねてから、「歌に国境はない。歌は、人と人、国と国を結ぶ懸け橋だ」と思ってきた。 同合唱団・天野真希子さんも、「次は平壌の子どもたちと一緒に歌いたい。その日を夢みて頑張りたい」と熱いメッセージを送った。 劇団俳優でもある中寛三さんは、今年で5回目の出演。最近落語にこっていると語りながら、「由紀さおり・安田祥子さんとかけて日本・朝鮮ととく。その心は、『どちらもハーモニーが大切です』」とユーモアたっぷりに同公演の最後を締めくくり、会場は大きな笑いと拍手に包まれた。 |