春・夏・秋・冬 |
「駐韓米軍のためにわが民族は、スレギになりさがっている」――。昨年末、南朝鮮のある学者が、怒りを込めて語っていた。スレギとは、ゴミなどを指すのだが、原文にはもっと深い意味があるので、あえて訳さなかった
▼朝鮮戦争の時、避難する住民を虐殺したのをはじめ、殺人、強かん、放火、環境汚染など現在も米軍による犯罪が絶えない。南朝鮮当局が発表した統計では85年から98年までの米軍犯罪発生件数は1万4445件にもなる ▼その米軍のために南朝鮮国防部は20日、「環境、騒音、土地返還など駐韓米軍部隊と関連して集中的に提起される地域住民の要望に対し、駐韓米軍と韓国軍との間に緊密な連絡を通じて積極的に対処し、 不必要な反米感情 が拡散することを事前に防止する」(国会に提出した業務報告、 は筆者)と表明した ▼軍隊は自国民と国土を守ることが最大の任務。だから、80年5月の光州人民抗争で、全斗煥が行った特戦団による市民虐殺は、反民族的行為として糾弾されているのだが、前述の文書を読むと、誰のための軍隊なのか疑わしくなる ▼ふと、思い出したことがある。98年の大統領選挙で、金大中候補が@駐米大使を閣僚級に格上げするA反米運動を煽らないB駐韓米軍撤退を主張しない――と米国に約束したとの情報だ。これが事実なら、この業務報告は、Aに該当する ▼かつてヨーロッパ、中近東を席巻したローマ帝国の屈強な軍隊は、次第に傭兵(ようへい)化し市民の軍隊としての性格を失った。そして帝国は衰退、滅亡した (元) |