健康事件簿


清涼飲料水輸入品にバイアグラ成分混入
 
 愛知県は8日、清涼飲料水として輸入販売されていた「都瑞(トゥルゥー)」に、性的不能治療薬「バイアグラ」の有効成分が入っているとして、名古屋市内の業者に対し、輸入・販売の中止と商品の回収を指示した。薬事法違反(医薬品の無許可販売など)にあたる。

 バイアグラは頭痛や視覚障害などの副作用が起きることがある。心臓病の治療薬と併用して死亡した例も報告されているが、今回の商品で健康被害が出ているかどうかは確認されていないという。(朝日新聞9日付)

狂牛病防止のため牛肉の輸入対策強化

 厚生労働省は9日、欧州で問題になっている狂牛病(牛海綿状脳症)に感染した疑いのある牛肉の輸入対策強化のため、従来の行政指導による輸入自粛処置に代わって、食品衛生法の規則改正で輸入・販売を中止することにした。

 具体的には「特定の疾病にかかった獣畜の肉」の販売を禁止した第5条に、狂牛病などの「伝染性海綿状脳症」を追加。欧州連合(EU)諸国、スイス及びリヒテンシュタインについては対策が十分でないことから、当分の間、牛肉の輸入を禁止する。(毎日新聞10日付)

オーストラリアで「ドーピング豚」疑惑

 欧州を揺るがす狂牛病騒ぎに戦々恐々なオーストラリアで、「ドーピング豚」疑惑が食卓に追い打ちをかけている。疑惑は、多くの養豚業者が違法な抗生物質やホルモン剤を豚に投与していたというもので、消費者は「何を食べればいいの」と困惑するばかりだ。

 相次ぐ疑惑で、精肉業者によっては売上が半減したところもある一方、鶏肉や魚、ダチョウの肉などは売れ行きが伸びている。

 約5割の消費者が、値段は高くても科学物質や遺伝子操作とは無縁であることを保障する表示の商品を選んでいるとの調査もある。(朝日新聞10日付)

血液型の判定ミスなどで輸血ミス多発

 輸血の際に血液型を間違うミスが全国の病院で五年間に計166件あり、ミスのため死亡した患者が4人、その疑いがある患者も4人いたことが、日本輸血学会の全国調査で分かった。

 ミスをしたのは看護婦が78人、医師が72人。原因で多かったのは「血液の入ったパックの取り違え」71件(43%)と「患者の取り違え」19件(12%)で、この2つで過半数を占めた。他には血液型の判定ミスや、依頼伝票に誤った血液型を書いた例などが目立った。(毎日新聞10日付)

タイのエイズワクチン、効果なしと判定

 エイズウィルス(HIV)感染者が100人を超えるタイで、期待されていた治療用エイズワクチンの臨床試験(治験)が暗礁に乗り上げている。米国の研究で、このワクチンに効果がないと判定されたためだ。

 タイ政府はすでに1万人に及ぶ治療実施を承認しているが、一部の科学者は治療の中止、再考を強く主張。感染者や患者の救済のための「最後の手段」でもあるだけに、治療は当面続けられる可能性が強いが、背景には財政難で患者対策が手詰まり状態の政府当局と、設備の拡充などメリットが大きい医療現場の 利害の一致 がありそうだ。(読売新聞20日付)

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