ニュースの眼
外勢のないDMZ、法的基礎整える
北南軍事実務委の合意
管理区域設定、地雷も除去/鉄道、道路連結GOサイン
8日に板門店で開かれた第5回北南軍事実務会談で双方は、「北南管理区域設定、北と南を連結する鉄道と道路作業の軍事的保障のための合意書」(以下合意書)の内容について、完全合意に達した。合意書は今後、朝鮮人民武力部長と南側国防長官が署名して効力を発することになるが、分断の象徴となってきた軍事境界線をなくし、民族の血脈を結ぶ法的基礎を整えたという点で大きな意義を持つ。 § § 今回、合意されたのは、新義州とソウルを結ぶ鉄道(京義線)と道路の連結に伴う共同管理区域の設定と工事を軍事的に保障するうえで提起される諸問題――地雷の除去や偶発事故の防止など41項目。 報道を総合すると共同管理区域(図)は、非武装地帯(DMZ、軍事境界線から南北に各2キロメートル)の京義線の鉄路を中心に250メートルの幅で、同区域内には軍事境界線から250メートル離れた場所にそれぞれ警備哨所を1ヵ所だけ設置し、それ以外のいかなる軍事施設も設置しないとなっている。 地雷、爆発物の除去は、双方が管轄する共同管理区域に限って行い、作業は解氷期に開始し、1週間前に相手側に通報する。 また、双方の作業距離が400メートル以内に達した場合、北側は月水金、南側は火木土に作業を行うほか、野生動物の移動通路の設置、非武装地帯において相手側に向けて火器を使用する作戦の中止などで合意した。 § § 今回の協議は、比較的に順調だったと言えるが、大きな争点が2つあった。 1つは共同管理区域に関する管轄権の問題。北側は朝鮮人民軍が管理しているので問題はなかったが、南側は「国連軍」(米軍)が握っているので、北南が共同管理するためには「国連軍」から管轄権の委譲を受けなければならなかった。 南側は10月に1度、国連軍司令部から委任状を取り付けたが、南北が当事者として非武装地帯を共同管理するには不十分だった。 そこで、北側が「国連軍」司令部と直接交渉し、事実上の管轄権を受け取ったのだ。今回の合意書が、「軍事境界線をなくし、途絶えた民族の血脈を結ぶ法的基礎が整えられた」(朝鮮中央通信)という根拠が、まさにここにある。 もう1つは地雷を除去する範囲。北側は共同管理区域内の全面除去を提案したのに対して、南側は「必要な地域に限定する」と主張した。「北側の要求通りに地雷をすべて除去した場合、有事に北が進撃路として活用しうる」というのが南側の理由だが、南側が昨年に発表した「国防白書」で北を「主敵」と規定したことも含めてこの問題は、今後の北南和解に悪影響を及ぼす可能性がある。(元英哲記者) 6.15共同宣言から非武装地帯
DMZで259種の動物確認 報道によると、非武装地帯に絶滅の危機に瀕している「チョウセンネズミドリ」(蛇の一種)など、259種の動植物の生息が確認された。南朝鮮環境部が各界の専門家で構成した「環境生態共同調査団」が14日に明らかにしたもので、同調査団は、昨年9月から12月まで、7回にわたって非武装地帯を調査した。確認されたのは、マナヅルなどの鳥類32種と、キバノロなどのほ乳類4種、両生類4種、昆虫30種、植物96種、水生植物87種のほか、絶滅危機種が4種。調査は主に昼に行われたので、夜行性動物を含めると、その数はさらに増えると推定される。 |