健康事件簿
欧州で騒動起こした狂牛病日本に浸透
欧州を中心とした狂牛病(ウシ海綿状脳症)騒動の影響がじわじわと日本にも押し寄せている。狂牛病は、脳がスポンジ状に侵されて死に至る病気。異常なたんぱく質「プリオン」が原因とされる。興奮状態に陥って死ぬ牛の様子から狂牛病と呼ばれた。 食肉だけでなく、医薬品の原料としても輸入している日本では、昨年暮れから対策の強化に乗り出した。しかし、感染・発病のメカニズムがまだ解明されていないこともあり、混乱を招いている。(朝日新聞5日付) 米国製薬会社の日本法人は1日、糖尿病患者が家庭での治療で使うインスリン注入器の部品約8万5000個を回収すると発表した。同社は「部品の破損で注入量が減って高血糖となり、入院したケースが国外で21例あることが判明した」と説明。 同社によると、入院を米国本社が昨年6月に2回、同12月に一例確認。厚生省(現厚生労働省)の指導で再調査した結果、国外で新たに18例が判明したため、日本法人の判断で部品を回収し、改良品と交換することにした。(毎日新聞1日付) 昨年末、文部省(現文部科学省)から児童、生徒の体格の伸びについての報告があったが、この20年間で見ると、身長、体重とも実は頭打ちである。 外国の若者の体位が向上していることはオリンピックで嫌というほど見せつけられた。しかし、日本の若者は体位が低下しているのである。「このような身長、体重の低下は『栄養状態が低下』したため」と言えるのだ。 さらに脳の栄養不足がさまざまな子供の行動異常を引き起こしているのではないかと危ぐされる。(毎日新聞1日付) 同省やメーカーによると、女性は1998年夏、C型肝炎から症状が進んだ肝硬変のため腹水がたまり、公立病院に入院。1ヵ月後に退院して投薬で肝機能の悪化を迎えていた。死亡した原因は、薬による副作用の可能性があるという。 この薬をめぐってはほかに、4人に肝障害があったと同省に報告された。(朝日新聞1日付) 小型カメラの内視鏡を使った手術用器具は、感染や事故を防ぐため使い捨てとして作られているのに、実は9割以上の病院で再利用されている――そんな実態が、ある調査で分かった。 再利用のための滅菌が「完全に行われている」と考えている病院は35%にとどまる。とくに鉗子とはさみは八割近い病院が「使えなくなるまで使う」と答えた。器具が再利用で劣化すると、はずれた部品が患者の体内に残るなどの事故の原因ともなる。 背景には内視鏡の関連器具が安くない事情もあるようだ。 |