取材ノート
崩れる「壁」
新世紀に入っても、6.15共同宣言履行の動きは揺るぎない。
平譲では1月10日、「朝鮮民族同士で統一の門を開く2001年大会」が開かれ、6月15日から8月15日までを「民族統一促進運動期間」として定めた。 その後、離散家族の交換(26〜28日)などを決めた赤十字会談、軍事実務会談などが開かれ、「建設的で非常に肯定的な雰囲気が醸成されている」(南の統一問題専門家)。 こうしたなか、年初に在日同胞社会からもうれしい連絡をもらった。 昨年12月に本紙で紹介した、大阪1円の同胞女性絵画愛好家らを網羅する、「ウリキョレ女性展」の事務局長からの電話だ。 記事は、団体と思想、信条、宗教などを問わず、「ハナロ(1つに)」を合い言葉に互いを認め合い、ウリキョレ(わが民族)という共通点に絞って意見を交換してきた、5年間の活動を紹介したものだった。 事務局長は、本紙での紹介後、全国各地から激励の連絡をもらった、非会員からの出品申し出が多数あった、新年会には絵画愛好家だけでなく、さらに広範な同胞が集った、と語った。 各都道府県にある同胞結婚相談所の話だが、会員には総聯だけでなく、未組織、民団傘下の同胞らも入会し、ゴールインしているという。 また、総聯と民団が支部などの単位で、無年金状態の同胞高齢者・障害者への差別是正を自治体に共同で求める動きもある。 6.15共同宣言の精神、生活力は北と南の間だけでなく、すでに在日同胞社会でも実を結んでいると言える。 在日の社会でも「分断の壁」「心の壁」が1つずつ崩されていっていることを実感する。(羅基哲記者) |