本社記者ー平壌レポート

心和ませる動物達

大切に飼育、市民に人気


【平壌発=姜イル】  記者 約600種、6000余の動物を擁する平壌・中央動物園。同動物園には、スウェーデンのスカンセン動物園から寄贈された「贈物動物館」がある。ここでは、世界的に絶滅の危機に瀕している貴重な動物や珍しい熱帯魚、爬虫類など95種1500百余を飼育している。

 「贈物動物館」のチェ・リチ館長(50)は「1月、平壌は50年ぶりの寒波に襲われたが、ここにいる動物たちは気づかなかっただろう」と笑う。それくらい空調は完ぺきだ。とくに、南米原産で成長しても体長15センチほどにしかならない世界最小の猿、ピグミーマーモセットやコモンマーモセットなどのマーモセット科の六種の猿は、トロピカルフルーツなどを与えられ、手厚い待遇を受けている。

 経済難が続くなか、一見ぜいたくに見えるかもしれない。しかし、「苦難の行軍」を続けていたここ数年、動物園を訪れる平壌市民はそれ以前より多かったという。

 「動物には、人の心を和ませる力がある。動物園は、資源を消費するだけで無駄だと思う人もいるかもしれないが、人々に知識や楽しさを伝えることのできる大切な休息・娯楽施設だ」

 「苦難の行軍」を終え、経済が少し上向きになってきたのに伴い動物園では敷地の拡張、施設の改築も予定している。

 「経済をはじめ、国のすべての部分を21世紀に相応しく現代的に一新していこうとしているのに、わが動物園だって世界トップクラスに整備していかなくては」

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