解決には立法必要

戦後補償裁判/弁護士ら集会

責任問われる日本政府


 「公開フォーラム―戦後補償裁判の現況と今後の課題2001」(主催=戦後補償問題を考える弁護士連絡協議会、戦後補償ネットワーク)が1月26日、東京・千代田区の弁護士会館で開かれた。

 フォーラムでは、強制連行や「従軍慰安婦」など、日本の侵略戦争による旧植民地被害者が日本政府や企業を相手取り、日本や海外で起こしている各種戦後補償裁判の現状について、担当弁護士らが報告し、意見交換した。

 一連の裁判では、一昨年の日本鋼管、昨年の不二越、鹿島と、被告となった民間企業と原告側の和解が相次いだが、日本政府を相手取った裁判では戦後補償に関する法律がないことが壁となって敗訴が続いている。こうした現状からの突破口を求め、最近では米国や南朝鮮など海外で訴訟を起こす例が相次いでいる。

 新美隆弁護士は、日本政府の命令で強制連行・労働を行った民間企業が責任を認め一定の対応をしていく中で、事実さえ認めない日本政府の不当性がより浮き彫りになっており、その責任は鋭く追及されていくだろうと指摘した。同時に、裁判はあくまでも原告となった人に解決がもたらされるもので、全体的な解決のためには裁判をきっかけに戦後補償の法律作りが必要であると強調。今後の課題として、立法化運動をクローズアップさせた。

 立法化運動との関連では昨年、民主、社民、共産の各党が「従軍慰安婦」問題の解決を促進するための法案をそれぞれ国会に提出したが廃案になった。これについて土屋公献弁護士は、三党が、31日からの通常国会に同法案を1つの法案として共同提出する方向で調整していると報告した。

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