春・夏・秋・冬 |
2001年、読者のみなさんにとって、21世紀最初の年はどのような年だったのでしょうか。悲喜こもごも、今年最後の本欄の筆を進めながら、筆者は昨年の今頃を思い出す。そういえば昨年は昨年で、たしか、一昨年の今頃はどうだったろうか、と考えていた。人間の習性というものは、そう簡単には変わらないようだ
▼変わらないといえば、やはり国際情勢における米国の存在である。昨年の今頃は、クリントン訪朝が最大の関心事だった。それから1年、あれは夢の中の出来事だったのかと、錯覚してしまいそうなこんにちの状況である ▼政権の交替に伴い、政策が変更・修正されることはままあるが、基軸の部分にまでメスが入れられるという話はあまり聞かない。それも、国際情勢に決定的な影響を与える米国である。原理回帰なのか、米国という国はそう簡単には変わらないものだと、改めて思い知らされた ▼ブッシュ政権の登場にもっとも慌てたのが金大中政権である。そして、やはりというか「同盟国回帰」しつつあるように思える。ブッシュ政権は、ポスト・アフガニスタンはイラク、朝鮮だと叫んでいる。金大中政権の心中は穏やかではないはずだ ▼年が変わるからといって、すべての物が一新されるわけではない。だから、今年の厳しさは継続、さらには重大局面に向かうかもしれない。こういう時代だからこそ、右往左往することは禁物だ。きちんと将来の一点を見すえ、力を合わせていくことが苦難を乗り越える原動力になる。読者のみなさんにとって、良い新年でありますように。(彦) |