総聯・「愛の募金運動」

各地で慰問金など贈る

栃木  オモニ会手作りのキムチ
岡山・群馬  ハンセン病元患者らに

岡山ハンセン病元患者らを訪ね慰問金を渡す総聯岡山県本部の代表(左) 長年、女性同盟群電前分会長を務めた梁郡水さん(左)を慰問する川崎高麗長寿会のメンバー(26日)

 11月から始まった総聯の「愛の募金運動」が15日、終了し、各地の同胞生活相談綜合センターや総聯の本部、支部では、対象となる一人暮らしの同胞高齢者や闘病中の同胞、同胞ハンセン病元患者らを訪ね、慰問金を渡した。地域によってはキムチやみかん、はちみつなどの慰問品も贈っている。在日同胞の中には難病や心身の障害とたたかっている人、一人暮らしや寝たきりの高齢者、孤児、交通遺児、また自然災害などによって不遇な環境で暮らしている人が少なくない。「愛の募金運動」はこのような同胞を励まし、助けるための全同胞的な運動として毎年欠かさず行われている。

一人暮らしの1世に

 総聯栃木県本部では、栃木朝鮮初中級学校(小山市)のオモニ会が漬けた手作りのキムチを同胞高齢者らにプレゼントした。

 同県下にも他の地域同様、一人暮らしの同胞高齢者が多い。「年末や正月の時こそ1世に同胞のぬくもりを届けたい」とオモニ会の役員らが発案。学校の運営を助けるため、年末に漬けた1トンのキムチの一部を「愛の募金運動」にあてた。

 また、総聯神奈川・川崎支部では、2年前に結成された川崎高麗長寿会(盧垠会長)のメンバーが同胞高齢者を訪れ、慰問金を手渡した。盧会長らは、同胞高齢者の健康状態や近況を尋ねながら、来年も希望を持ち、健康に気をつけて生きていこうと激励した。

毎年の恒例

 総聯群馬県本部は毎年、県内にある国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」(吾妻郡草津町)を訪れ、同胞ハンセン病元患者らを慰問している。今年は朝鮮の民俗画が描かれたカレンダー、はちみつ、朝鮮人参茶などを持って同園を訪れた。栗生楽泉園では17人の同胞元患者が暮らしており、過去にも同世代の1世が交流を重ねてきたという。

 総聯の代表らは約1時間半にわたって元患者らと歓談し、最近の朝鮮半島や同胞を取り巻く出来事について意見を交わした。

 元患者らは、日本当局による総聯中央や各本部に対する強制捜査について深い憂慮と憤りを示しながら、「本当に胸が痛む。高齢のわれわれにできることはないが、何かあれば言って欲しい」と、逆に激励の言葉をかけてくれたという。また、昨年6.15北南共同宣言が発表されたことにも触れ、「共同宣言はわれわれに大きな希望をくれた。いつも祖国を想っている」とも。

 管下の各支部では地域に根差した募金運動を行っているが、前橋市などを管轄する総聯中北支部は、年末に慰問金や慰問品を届けるのはもちろん、同胞高齢者の誕生日にプレゼントを贈るための基金も運営している。

支援「心強い」

 総聯岡山県本部では、朴忠吉副委員長と朴敬虎・朝青本部委員長が邑久郡にある国立ハンセン病療養所、長島愛生園と邑久光明園を訪れ、同胞元患者らに毎年恒例となっている慰問金を手渡した。

 日本各地に13ある国立療養所には約230人の同胞ハンセン病元患者らが暮らしているが、岡山県下の療養所にはその約半分、101人の同胞が暮らす。大多数が身よりのない1世だ。

 7人の同胞元患者らに会った朴副委員長らは今年、ハンセン病元患者らの地道な運動が実を結び、元患者への隔離政策を続けてきた日本政府の責任が熊本地裁で認められたことに触れ、「同胞元患者の尊厳が回復されたことを県下の同胞が祝福している」と述べた。

 元患者らは、「総聯の後ろ盾があって心強い」と謝意を述べていた。

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