記者座談会−在日同胞社会2001年を振り替える(下)

在日社会

目立った若い世代の活躍
出逢いのパーティーで77組
インターハイ  ボクシングで初の金

京都で行われた「ワンコリアカウントダウン21」(1月1日) 留学同初の全国イベント「もうひとつの同胞大学、それがウリチャラン」(12月8日)

年始から統一行事

 A  在日同胞社会では、年始から統一への願いを込めたイベントが多数開催された。

 B  例えをあげると京都で、昨年大晦日から今年の元旦にかけて開催された「ワンコリアカウントダウン21」。京都府下の同胞青年団体が、団体所属や信条の違いを乗り越えて主催したもので、1万人が参加した。3月には「大阪ハナ(花)マトゥリ」フェスティバルが行われ、3万人が参加し、歌や踊りなどを披露した。

 C  在日同胞が夢にまで見てきた祖国統一が、6.15共同宣言の発表で現実のものとなり、民族の一員としてその履行を後押ししたいという思いが凝縮されたイベントだったと言える。

 A  また、今年はさまざまな分野で、在日同胞の活躍が目についた。

 B  何といっても洪昌守だね。東京朝高卒業生で、WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで3度目の防衛を果たした。

 C  彼に続けと、世界グランプリを目指すライダーの尹昌憲さん(27、以下、年齢は当時)、F1ドライバーを目指す金太景さん(21)、米国でバレリーナとして活躍する高美華さん(24)、昨年1月にスイス・ローザンヌ国際バレエコンクールに出場し、ドイツでクラシックバレエを学んでいる李賢雅さん(18)など、とくに若者の活躍が目立った。

 B  中古のオートバイを新品同様に仕立てて世界30数カ国に輸出している「オート貿易」(福岡、金永福社長)や、逆に、世界各国のメーカーから家具や照明、美術品などを買い付け国内の業者に卸している「高麗堂」(岡山、姜正一社長)などの例もある。

民族心を守る

 A  本紙では、同胞社会の未来にとって、とても重要な民族結婚問題も意識的に取り上げた。

 B  企画の面では、同胞結婚相談中央センターからさまざまな協力をいただいた。「出逢いのパーティー」も随時紹介したが、同センターによると今年は13カ所で開催され、468人が参加。計65組のカップルが誕生したという。またミニパーティーも好評で、7回行われ、65人が参加し12組のカップルが成立した。相談所を通じてゴールインしたカップルや、同センターと連携する式場、同胞の関連業者なども紹介した。

 A  日本学校に通う同胞児童・生徒、学生たちの動きは。

 B  中学、高校に通う同胞生徒を対象にしたサマースクールは全国13カ所で開催されたが、参加者たちは「友だち、民族の心、本当の自分…」など、思い思いのことを見つけていたようだ。留学同では、年末に初の全国規模のイベント「もうひとつの同胞大学、それがウリチャラン(わが誇り)」を開催したほか、夏にはサマーセミナーや祖国訪問も行った。

 C  とくに年末のイベントは、21世紀も変わりなく在日同胞社会を担っていきたいとの彼らの思いが十分に伝わってきた。

 B  日本の学校に通う同胞児童・生徒たちのための「土曜児童教室」や「青年学校」も盛んに行われた。

 C  朝青千葉・朝銀支店本部班が運営する青年学校で学んでいた金潤(初6)、金祥悟(初4)兄弟が、6月に日本学校から千葉初中に編入したそうだ。

 A  青商会の活動も活発だった。

 B  今年で6回目を迎えた青商会の「ウリ民族フォーラム2001  in  広島−統一の鐘、平和の鐘、朝日友好の鐘を鳴らそう!」には、過去最多の1600余人が参加した。6.15共同宣言を踏まえ、「21世紀、統一同胞社会のビジョンとその実現―青商会のあり方」をテーマに、その実現方途について論議する契機となった。

朝鮮学校支援活動も

 A  朝高生のインターハイでの活躍も引き続き目立ったが。

 B  ボクシング競技には大阪朝高から7人、東京朝高から6人、神戸朝高から3人と、過去最多の16人が出場した。大阪朝高の崔日領選手(75キロ級)は、朝高初の金メダル獲得という快挙を成し遂げた。うれし涙を流す梁学哲監督の姿が印象的だったね。

 B  広島朝高サッカー部も念願の出場を果たしたが、惜しくも白星を飾ることはできなかった。

 B  朝鮮学校生徒たちの活躍は、何かと暗い話題の多かった同胞社会を元気づけてくれた。

 A  朝鮮学校を支援する、さまざまなアイデアを駆使した各地での活動も注目を集めた。

 B  中央青商会と教育会では「マイラインプラス」の加入手数料の一部を、東京都中央・江東商工会では日本の食品卸売商社とタイアップして売り上げの一部を朝鮮学校にあてたそうだ。

 A  来年もこうした在日同胞のパワーを一つでも多く紹介できるようにしていきたい。

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