在日朝鮮人糾弾大会でのあいさつ


一貫した弾圧、 差別政策

床井茂(在日朝鮮人の民族権利を守る弁護団団長)

 逮捕された総聯中央の元財政局長は、両ひざ関節の障害のために1年9カ月以上にもわたる長い入院、闘病生活を余儀なくされている。にも関わらず、捜査当局は彼を入院先から連行し、拘束した。

 彼は「業務上横領」なる「疑い」はまったく否認しており、それを裏付ける証拠もきわめて薄弱だ。無実による不当な逮捕勾留と言わざるをえない。また本人は、このような病状からして逮捕の要件たる「逃亡の恐れ」「証拠いん滅の恐れ」もまったくない。

 捜査当局が元財政局長を逮捕、勾留したのは、治療施設が不備な拘置所で、ありもしない罪を認めさせようとする自白の強要を目的にしたものだ。

 結成以来、在日朝鮮人の生活と人権を擁護してきた総聯の元幹部の逮捕、総聯中央、各本部に対する強制捜査は、重大な人権じゅうりんであり政治的弾圧だ。

 このような戦後一貫した民族差別政策は、ますます強化され続けている。

 最近では90年5月、些細な外国人登録法違反を理由に東京朝鮮中高級学校を強制捜索し、94年4月には総聯大阪、同6月には総聯京都本部に対する強制捜索を行った。日本政府は不当な強制捜索をただちに撤回し謝罪しなければならない。

人権侵害、 民族差別許さない

金子哲夫(衆院議員、 社民)

 朝銀が、長年にわたって厳しい環境の中でがんばっている在日同胞の方々の金融機関として優れた業績を持って活動してきたことを、まずしっかりと認識しなくてはならない。

 そうした実績をまったく顧みずにこんにちの事態が起きていることに対し、深い憂慮の念を禁じえない。またこの事件を機に総聯中央本部にまで家宅捜索が行われたことには、大きな政治的背景があったのではないかと思うのは当然だ。

 私たちは、捜査に名を借りた人権侵害や民族差別を助長するような国家権力の動きを断じて容認するものではない。そしていたずらに民族差別を助長するかのような捜査のありようもまた許されないことだ。

 今後も総聯の方々と連携を取りながら、不当な差別や弾圧は絶対に許さないという立場で、何よりも日朝の1日も早い国交正常化を実現させるため全力をあげて取り組む決意だ。

 またとくに触れておきたいことは、この種の事件が過大に報道されることによって民族差別による脅迫や傷害事件がひん発することが過去にあったが、そのような卑劣な事件が再び起きないよう今後も全力を尽くす決意である。

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