春・夏・秋・冬 |
4日から人権週間が始まる。人権とは改めていうまでもなく、人間が生まれながらにして有している権利のことを指す。広くは「人種・信条・身分などによって政治上・経済上・社会上の差別を受けない」
▼米国の独立宣言やフランス革命の人権宣言、そして世界人権宣言などにもうたわれ普遍的な権利として確立している。ちなみに日本憲法では「思想・信教、集会・結社・表現の自由、拷問の禁止、黙秘権」などを規定している ▼原理、原則は心地よい響きを持っているが、現実はといえば、一筋縄ではいかない。そのことは、在日同胞の処遇、置かれた境遇が端的に物語っている ▼外国人登録証明書の常時携帯、民族教育の教育としての否定…。人権侵害だとして、日本の心ある市民たちの支援を受け在日同胞が粘り強い闘いを繰り広げてきた結果、あらわな敵視条項は削除されてきたものの、「破壊活動防止法」に代表されるように敵視の本質には何の変化もないのが日本社会の現実だ ▼そして先日の、日本捜査当局による総聯中央本部強制捜索。日本の国会議員が逮捕されたからといって、機動隊を動員して包囲しその議員の所属する党本部を強制捜索したことがあっただろうか。検事、判事、警察幹部ら不祥事は今も後を絶たないが、筆者は寡聞にしてそうした事実を知らない ▼法の下における平等、不可侵の基本的人権ということを考える時、やはり総聯中央本部強制捜索は暴挙かつ不当だといわざるをえない。二重基準の撤廃のためには、法的措置まで含めて徹底的に闘うしかない。(彦) |