私の趣味―ゴルフ
女性中央ゴルフ大会で優勝を
大阪・生野区 康貞子さん
人生を豊かにしてくれるもの。それはお金や社会的地位でも、名誉でもない。人はすばらしい出会いによって、「幸運」というスパイスを得ることができるのではないだろうか。
大阪市生野区に住む康貞子さん(43)。夫と共にレジャー施設など市内で幅広く商売を営む女性実業家である。1世の両親の下で育ち、建国高校を卒業したが、その後結婚し、家庭や仕事が多忙のため、同胞社会ともあまり触れ合わないで過ごしてきた。 「高校時代に朝鮮語を学びましたが、普段使わないため、言葉もすっかり忘れていました」 昔、妹と2人でブラリとソウルへの旅に出かけたことがあった。「でも、『キョポ』と呼ばれて、なじめず、ここには私の居場所がないと感じたこともありました」。「朝鮮人として中途半端な自分」だったと当時を振り返る康さん。結婚した夫・秦正一さん(59)は、熊本で生まれ、日本の学校を出た2世だった。「大阪に出て苦労して、今の商売を築き上げた。同胞社会とはつきあいはそうなかったが、民族の熱い心とシンパシーを持ち続けていました」。 こんな2人が3年前に出会ったのが、朝銀近畿婦人会会長の呉仁子さんだった。「同胞や困っている人がいたら放っとけないすばらしい人。明るくて、朗らかで。主人も『あの人はエライ』といつも褒めています」と康さん。朝銀の婦人会で顔を合わせる度に、2人は共通の趣味であるゴルフ談義に花を咲かせ、意気投合するようになった。 康さんは7年前にゴルフに目覚め、夫も巻き込み、高校生の一人息子にもゴルフを教え込んだ。今では息子は関西高校ゴルフ大会で2位になるほどの腕前で、将来はプロの道も視野に入れている。「家族3人でゴルフに打ち込み、お陰で楽しく健康に過ごしています。夫はハンディ20、私が13。息子はもうレベルが違います」と微笑む康さん。 その趣味のゴルフが、康さんにとっては、今はすっかり競技としても定着しつつある。「呉さんに引っ張られて、今年3月の女性同盟大阪ゴルフコンペに出場、さらに9月の熊本での第5回在日同胞女性中央ゴルフ大会団体戦で3位。2年後の北海道大会では優勝を狙います」とキッパリ。 呉さんも「康さんはみんなで旅行に行っても、歌って、踊って場を盛り上げてくれるおおらかな人柄。陰日向なく『婦人会』や女性同盟の仕事を手伝ってくれて、本当にありがたい」と語る。(朴日粉記者) |