「私と福祉」

朝大で初のイベント


 17日、東京・小平市の朝鮮大学校で、「私と福祉」と題された小さなイベントが催された。8月に長野で行なわれた同胞福祉連絡会のイベントに、ボランティアスタッフとして参加した朝大生らが、学内でも福祉に対する関心を高めようと企画したものだ。

 文学部4年の許栄蘭さん(22)は、その中の中心人物。今まで数回にわたり「ムジゲ会」(同胞障害児の家族の会)のイベントや、同胞高齢者施設の訪問などを通じて、彼らの思いに触れ「いま自分にできること」を考えてきた。

 福祉に関心を寄せるようになったのは、高校生の頃。地域の同胞高齢者や障害者たちとの交流会に誘われたのがきっかけだった。幼い頃は、親せきの障害児が怖くてしかたなかったという。「なんで私と違うんだろう?」と思いつつ、できるだけ関わらないように努めていた。でも、「その子が亡くなってからは、少し考えるようになった」。

 イベントでは、写真展示会、解説とビデオレターのほか、演劇が行われた。演劇「かくれんぼ」で、許さんは老人性痴呆症にかかり子ども帰りしてしまうハルモニの妄想(幼い頃の自分)スニ役に扮した。年を重ねるごとに小さくなって行くハルモニとは逆に、孫は大きく育って行く。それはハルモニが得てきた人生の知恵を、若い世代に分け与えてくれてるから…という場面が印象的だった。

 許さんは将来、朝鮮学校の教員になり、同胞社会に貢献したいと考えている。

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