春・夏・秋・冬

 ジャーナリストの初歩的な手順として、「直(じか)あたり」という決まりがある。取材対象に接触して事実関係を確かめ、記事にするということである。この手順を踏んでいない記事は、事実把握という初歩的な作業をしていないので信ぴょう性に欠け、まずは相手にされない

▼ところが読者にとって、「直あたり」した記事なのかどうか、一見して判断することは困難だ。そこで、ジャーナリストの良識が問われることになる。「取材していないことは書かない」。必要に迫られて書く場合にも最低限、出所を明らかにするモラルを求められる。しかし、実際には、良識もモラルも蹴散らされているのが現状だ

▼風評を収集して発表したり、質の悪いものになると他人の見解を寄せ集めて加工したりと、独断偏見の横行。朝鮮問題においてはとくに顕著だ

▼いま、マスコミを独占しているアフガニスタン報道にも同じことがいえる。米国や北部同盟の情報に偏り過ぎて、実のところどうなっているのか、さっぱり伝わってこない。さらに、ニューヨークでの衝撃的な事件はあったものの、ブッシュ政権がなぜこれほどまでにアフガンという地域、新政権作りにこだわるのか、というバックグランドについても言及がない

▼カスピ海に眠る膨大な原油、天然ガス投資に早くからブッシュ一家が着目、ビンラディン一家と関わっていたこと、そのパイプラインをアフガン経由でパキスタンの港まで敷設する計画が進んでいたことなど、「直あたり」したジャーナリストならみな、知っていることだ。(彦)

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事