ウリマル
きみには不滅の香気がある
きみには黄金の韻律がある
きみには永遠なる思考のすみかがある
きみには彗星のようなまだ見ぬ栄光がある
きみは山のように静かだ
きみは海のようにはねあがる
きみは風のようにささやく
きみは少女のように夢見る
きみは僕たちの花嫁だ
きみは僕たちの運命だ
きみは僕たちの呼吸だ
きみは僕たちのすべてだ
ああ、私の愛、私の希望よ、どうすればよいの
だ
きみの足に香油を注いでやることはできないと
しても
きみの首に黄金の首飾りをかけてやることはで
きないとしても
まさかきみの頭にとげの冠を刺すことになろう
とは
とげの冠を刺すなんて…
ああ、私の愛、私の希望よ、この世にこんなこ
とが…
僕たちは愚かだあきれたばか者だ
だけど、だからといってきみは僕を捨てはしな
いだろう、まさか
ああ、私の愛、私の希望よ、僕の耳にきみの唇
をつけてくれ
そして誓ってくれ誓ってくれ
(1937年)
キム・ドンミョン
1901−1968。日帝時代は田園にこもり民族の悲哀と祖国愛の郷愁をうたった田園派詩人だった。解放後は現実参与の詩人になったがどこまでも宗教人であった彼の詩作は宗教的、人間的、観照的、哲学的な詩で一貫されていた。
(訳・全佳姫)
|