春・夏・秋・冬 |
「敵視、弾圧、差別」。在日同胞の置かれた状況は解放後、半世紀以上が過ぎた今もなお、本質的には何も変わっていない。その原点に位置する、朝鮮に対する不法な植民地支配について、その罪を認めて謝罪、補償をしようともせず、逆に過去を正当化しようとする日本当局のありようがそのことを見せつけている
▼今夏、京都を始め日本各地で明らかにされた公安調査庁(公調)による外国人登録原票請求開示事件は、在日同胞に対する「敵視、弾圧、差別」が日常的にそのまま続いていることを改めて認識させた ▼公調の存在理由は、専門家も人権侵害の恐れありと指摘する破壊活動防止法(破防法)による。日本当局はその「御旗」を掲げて今もなお、総聯組織を監視し、公調は機会をうかがってはそれを口実に在日同胞に対する調査を秘密裏に、ある時は公然と行うこともいとわない ▼10年前にもなると思うが、日本共産党幹部の自宅などの電話に盗聴器が仕掛けられていた事件が暴露されたことがある。当局は否定も肯定もせず闇の中に葬り去ってしまったが、公調や公安関係者によるものだったことはさまざまな証拠によって明らかだった。在日同胞は住所はむろん職場、そして指紋、写真、家族構成などすべてを日本当局に掌握されている。彼らの手にかかると盗聴は朝飯前、手の込んだ謀略も難しくはない ▼こうした状況下で、第一勧業銀行の場合は略式起訴で済んだ問題が、朝銀東京に対しては8時間余りにわたって捜索が行われ逮捕者も出た。「敵視、弾圧、差別」を実感する。(彦) |