民族金融機関への強制捜査
「不当、差別的な捜査」、「絶対に許せない」
同胞組合員ら強く抗議
8日午後、日本の警視庁は数10人の捜査員を動員し、8時間余りにわたって朝銀東京信用組合本店(東京・代々木)に対する強制捜査を行い、4人の元・現職の役員および職員を逮捕した。とくに、朝銀の女性職員に対しては、出勤途中に連行し逮捕するという暴挙に及んだ。日本の検察と警察が9月26、27の2日間にわたって朝銀近畿本店と13の支店を強制捜査したことに対する抗議と糾弾の声が高まっている中で、警察が再び朝銀への強制捜査を行ったことに対し、同胞たちは強い怒りを禁じえないでいる。
200余人が本店前に
この日、強制捜査が行われるとの知らせを聞きつけ昼頃から朝銀本店前に集まった200余人の組合員たちは、警視庁捜査員に対し「不当捜査やめろ」「ただちに帰れ」「民族差別は許せない」などと口々に叫びながら、強く抗議した。 1世の血と汗が染み込み、根強い民族差別の中でも相互扶助のために運営されてきた朝銀を踏みにじる強制捜査に対する怒りから、多くの組合員たちは夜遅くまでその場を立ち去ろうとしなかった。 今回の警察の暴挙に対し、日本のある評論家は「米国でのテロ事件以降、日本の政治が一線を超えて危険な方向へと向かっている中で、在日朝鮮人の金融機関である朝銀に対する捜査が大々的に行われた背景には、政治的な狙いがあると言わざるを得ない」と話す。 また、警視庁が強制捜査の理由に掲げた「検査忌避」についてある日本人弁護士は、「微細な経済事犯に対して大々的な強制捜査とは理解し難い。調査するならいくらでもほかの方途がある。実際、日本の都市銀行の場合、略式起訴で処理した前例がある。政治的目的を追求しようとするものなのか」と疑問を呈する。 「民族的憤り覚え」 通勤途中で逮捕された女性職員の親友で組合員の鄭点得さん(東京・あきる野市在住)は、「予告もなしに突然逮捕されたと聞いた。驚きと憤りを禁じえない。彼女も家庭の主婦。2人の娘さんがいるが、彼女たちがどれほど胸に深い傷を負ったか、心配だ。家庭の主婦を白昼、連行した非人道的な行為は絶対に許せない」と話す。 練馬区在住の朴在永さんは、「日本当局は、朝銀東京への強制捜査が不正行為を解明するための法に従った行為だというが、ほかに目的があることは明白だ。マスコミによる世論操作の実例が示すように、朝銀への捜査を起点に在日同胞の結束を崩そうとしている。だが、強制力では同胞の団結を瓦解することはできない」と語った。 新信組設立促進へ 町田市に住む朴在運さんは、「朝銀東京に対する強制捜査は、日本の銀行や信用組合に比べて行き過ぎだ」と強調しながら、「同胞と組織、朝銀との間にくさびを打ち込もうとする日本政府の意図を感じる。なぜなら、新しい民族金融機関を立てようと同胞がふんばっている時期だからだ。こういう時こそ1世のたたかいから教訓を得て、同胞同士団結すべきだ。肝に命じるべきことは、朝銀があってこそ、同胞の経済活動、生活が保障されるということ。個人的な問題はあっただろうが、朝銀がなければ同胞商工人の経済活動、同胞社会の発展はあり得ない」と力を込める。 江東区に住む李元吉さんも、「朝銀破たんの教訓を生かして『ハナ信用組合(仮称)』設立のために奮闘している同胞たちに冷水を浴びせる行為だ」と憤りをあらわにしながら次のように語った。 「警察は大がかりな捜査と関係者の逮捕で、同胞たちに不安を与えようとしている。だが、私たちは警察の底意を見抜いている。こういう時こそ、同胞たちは団結して『ハナ信用組合(仮称)』の1日も早い設立に力を尽くすべきだと思う」 多くの同胞たちは、日本の捜査当局が朝銀近畿に続いて朝銀東京に対する強制捜査を行ったことに憤激しながら、当局が不当な捜査を拡大し民族的に差別しほかの企図を追求するならば、絶対に許さず、断固たたかうと一致して話していた。 |