それぞれの四季

母の直感

金癸任


 初級部4年の次男はとても個性的で、幼い頃から「お笑いの世界へ進んだら」と言われるタイプだ。学校で教わる歌が大好きで、気に入ると当分の間何かにとりつかれたように歌うので、私も呪文のように耳にこびりついてうなされることになる。

 近頃は双子の妹たちの「保父」さんとして忙しい。「歌」「体育」「ウリマル」の時間割があり、特訓のかいあってか、2歳にして「アプクルギ!」の掛け声と共に前転し、「アイドゥラァ  イゴシ  ウリハッキョランダ」と声を張り上げて歌を歌っている。忙しい朝夕に2人にぐずられ、困り果ててつい叱りつけてしまう私を気遣い、助け船になってくれる。

 つい最近、この次男にある事件が起きた。担任の先生についた嘘が、深刻な事態へと発展しそうになったのである。多分、軽い調子でついた嘘だろうが、本人にとっては深刻である。しかし、先生から連絡を受けた時、ピーンときた母の勘が的中、その晩は烈火のごとく叱る私に、ただ涙の息子。

 翌日、先生に謝罪の連絡をしたところ、すでに話を聞いた様で、一言、「僕も勉強になりました」とおっしゃって下さった。何と謝ればいいのかと、うなだれて朝、家を出て行った次男は帰宅するなり、「ソンセンニムにちゃんと言えたよ!  ぼく尹ソンセンニムで本当によかった!!」。

 多分優しく説いて下さったんだと想像する。先生に感謝しつつ、母として子供の話にじっくり耳を傾ける時間が少なくなったなぁと反省した。

 以後、息子はますます先生が大好きになり、学校生活も絶好調である。(主婦)

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