春・夏・秋・冬

 「狂牛病という呼び方には反対。牛は狂っていない。牛海綿状脳症(BSE)を使ってほしい」。ウィルス学者でBSE問題に詳しい山内一也氏はこう指摘する。そもそも狂牛病(mad  cow  disease)はヨーロッパのマスコミがつけた名称。しかしこの呼び名が連日マスコミに登場し、平衡間隔を失った牛が倒れるショッキングな映像が何度も流され、マイナスイメージが増殖された

▼こういった問題はとかくセンセーショナルに扱われがちだが、そのために被害を受けたのは焼肉屋をはじめとする牛肉取扱業者だ。いたずらにあおるのではなく、正しい知識と情報を与えるのがマスコミの役割だと思うのだが

▼「牛由来の製品はすべて危ないとする報道姿勢がどのような社会的影響を及ぼすか、メディアの人々は考えるべきだ」と指摘するのは新潟県の病院に勤務する池田正行医師。自己のホームページ上に「狂牛病の正しい知識」と題した長文の論文を載せているが、専門家の見解だけあって説得力がある

▼池田氏は10月18日の「安全宣言」についても、「市場に、異常プリオンを持った牛由来の製品を出さないという水際作戦」との見方。BSEに感染した肉が出回る確率はゼロといっても過言ではない

▼11月に入り今年もあと2ヵ月。そろそろ忘年会のシーズン。風評被害にあった同胞業者を元気づける意味でも、ぜひ焼肉屋さんでの忘年会を提案したい。(聖)※池田氏のホームページは焼肉天国.com(http://www.yakinikutengoku.com)からアクセスできる。

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