死を待っているのか
被爆者援護法勝訴の郭さん、控訴を強く非難
日本政府などを相手に在外被爆者への被爆者援護法の適用を求める裁判を起こし、今年6月に大阪地裁で勝訴した南朝鮮在住の郭貴勲さん(77)の話を聞く会が10月25日、東京・永田町の星陵会館で行われた。主催は戦後補償実現!
日本=南北コリア・ネットワーク。
郭さんは1944年に広島に徴用され45年8月、同地で被爆。解放後は帰国して教員を務め現在は京畿道に住む。日本政府・大阪府・大阪府知事を相手取って大阪地裁に提訴したのは98年10月。援護法には居住地規定がないにもかかわらず日本政府が「日本国外に居住地を移した被爆者には法の適用がない」という74年の厚生省衛生局長通達(402号通達)を盾に、健康管理手当の支給を打ち切るのは違法だと訴えた。 これに対し同地裁は、郭さんの主張を全面的に認め勝訴した。しかし、日本政府は不当にも控訴した。 この日郭さんは「援護法のどこにも在外被爆者を排除するという規定はない。通達一つで朝鮮半島出身者を差別する日本は法治国家なのか」「日本はわれわれが死ぬのを待っている。戦後補償につながるのが怖いのだ」と日本政府の対応を強く非難した。 また控訴後、坂口力厚生労働大臣が発足させた「在外被爆者に関する検討会」についても明確な方向性が定まっていないとして疑念を表明。「日本は良心を取り戻し、人間らしい立場で過去を清算しなければならない」と検討会が在外被爆者を援護法の対象とする結論を出すよう求めた。 同検討会は今月8日の第4回検討会を経て12月26日にも結論を出す。なお郭さんの控訴審判決は12月21日に大阪高裁で下される予定だ。 |