ざいにち発コリアン社会

留学同、12月に東京でフェスティバル

「もうひとつの大学」テーマに民族性守る気概伝えたい


 12月8日、留学同(在日本朝鮮人留学生同盟)のイベント「民族サラン!  留学同フェスティバル」が東京・日比谷公会堂で行われる。関東、近畿、中・四国、九州など全国各地の日本の大学、専門学校に在籍する同胞学生らが出演する。「留学同自体をテーマに、先輩たちの伝統と意思を受け継ぎ、21世紀にも民族性を守っていく学生たちの気概を示したい」と、同実行委の朴栄致委員長(留学同中央委員長)は意気込みを語る。現在、本番に向けて地方ごとに練習が行われている。

気持ちの変化感じて

みんで輪になってチャンゴの練習

 今回のイベントのサブタイトルは「もうひとつの同胞大学、それがウリチャラン(われらの誇り)」。留学同が、朝鮮大学校と並んで民族性を養う場となってきた誇りを伝えたいという思いが込められている。実際、留学同は日本の大学、専門学校に通う同胞学生らが集まり、民族や祖国について共に考える場となってきた。帰化を考えたり、本名を隠して日本人として生きていた学生らが、留学同の活動を通じて民族心に目覚め、朝鮮人として堂々と生きていくようになった例は数限りない。

 今回のイベントは、そんな留学同そのものがテーマとなっており、全体を通じて同胞学生の日常をリアルに再現する。各地方ごとに文化公演を準備。サムルノリ、軽音楽、演劇、300人の大合唱、朝鮮舞踊、重唱と語りなど表現方法は多彩だ。京都の同胞学生による演劇は4.24教育闘争を題材にしている。これらがすべて一つの演出の中で繰り広げられる。

 「一般の同胞や日本人たちに留学同活動を知らせる良い機会になれば。そして、留学同に参加する学生たちの、民族意識に目覚めていく気持ちの変化を感じ取ってもらえたら」と朴委員長は話す。

地方ごとに練習

譜面を見ながら熱心にチャンゴをたたく学生たち

 オープニングを飾るのは100人が出演するサムルノリ。東京、西東京、埼玉、神奈川の4地方合同によるものだ。

 28日には2回目の練習が東京・文京区の東京朝鮮会館で行われた。「タッククタクッタクン、タッククタクッタクン」。講堂内にチャンゴの音が鳴り響く。チャンゴやプク(小太鼓)をたたくのは初めてという学生がほとんど。リズム感のよさですぐにチャンダンを身につけてしまう人もいれば、中には「もう少しゆっくりお願いします」という人も。それでもみんなの息が合っていて、迫力が感じられる。むずかしいチャンダンなどは、学生同士で補足し合うなど、熱心な練習が続けられていた。

 学生責任者の一人、明治学院大学3年生の鄭栄桓さんは、「日本の大学で学ぶ同胞学生の間では、民族意識に対してマイナスイメージを持つ人が少なくない。そういう学生たちには、言葉であれこれ言うより民族性を守ろうとする姿を直に見せる方が効果的だと思う。100人のサムルノリで、僕たちの力が小さくないことを表現したい」と抱負を語る。(文聖姫記者)

 ●前売チケット  一般1500円、学生1000円、当日チケット全2000円。*中学生以下無料(問い合わせは事務局TEL  03・3818・6138まで、URL=http://wing.zero.ad.jp/~zbf10400/festa

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事