本社記者平壌レポート

目標は連続4回転

空中ブランコのトップスター


 キル・ウンヘさん(21)は、平壌サーカス劇場で5年間空中ブランコを演じている。

 キルさんは9歳の時にサーカス学校に入学、学生の身でありながら、すでに公演に賛助出演する程高い技量と資質を携えていた。彼女が幼い頃からサーカスに興味を持ち、素質を開花することができたのは、祖母の影響があってのこと。

 キルさんの祖母は人民俳優。人々の人気を集めた有名なサーカス俳優であった。通常は功勲俳優を経て人民俳優になるが、祖母はストレートで人民俳優に。現在は80歳を超える高齢にもかかわらず、サーカス学校・劇場に足を運び、後任の育成に励んでいる。

 キル・ウンヘさんは練習の虫だ。

 「技巧を伸ばすには他人より努力すること。それには基礎訓練が大事。基礎訓練だけでも1日5〜6時間はやります」

 休日はほとんどない。朝、劇場に着くと基礎訓練を行い、その後90分くらい技巧訓練をする。夕方には公演に出演する。

 今ではキルさんは世界的にも注目を浴びるサーカス界のスターである。連続3回転の演技を披露することのできる世界でも数少ない俳優の一人なのである。

 99年10月に中国で行われた国際大会、00年1月のモナコ・サーカス祭典などで、金賞に輝いた。昨年はソウルに赴いて公演、拍手喝采を浴びた。

 キルさんの出演する演目名は「空中鉄棒飛行」。ここで連続3回転を披露している。

 「空中ブランコは大胆さと勇敢さ、磨かれた技巧で観客を魅了する。これからは世界的にも女性のサーカス俳優がまだ成功したことのない連続4回転に挑戦したい」

 目標を語るキルさんにはもう一つの夢がある。

 金正日総書記に自分の演技を見てもらうことだ。

 「必ず連続4回転を完成させてみせます。ぜひその姿を見てもらいたいです」

 キルさんは、今日も練習に励んでいる。【平壌発=李松鶴記者】

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