科学技術発展のための人材育成
金正日総書記、金策工業総合大学を現地指導
研究に励む学生
いま朝鮮では科学技術の発展のため人材育成に力を注いでいる。
金正日総書記の指示により、今年4月から万景台学生少年宮殿など平壌市内4つの施設にコンピューター秀才養成班が設置された。 今年4月に行われた朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第10期第4回会議では、科学を重視し科学技術部門に対する国家投資を決定的に増やすことを決定、科学者、技術者が研究に全力を尽くせるよう、事業・生活条件を整えることが課題に挙げられた。 科学分野の人材育成で現在とりわけ注目を集めているのは金策工業総合大学。去る9月19日、金正日総書記が同大学を現地指導し、情報産業を中心に経済界を支える科学人材を育成するよう指示した。以来、労働新聞などのマスコミは連日同大学の教育内容や研究成果を取り上げている。 これによると情報サービスを提供する電子図書館の新設、科学技術発展の流れに合わせた専攻学科の設置、教授案の再編成を推し進めるなど、同大学を発展させる方針。さらに図書館、体育館を新たに建設し、校舎と寄宿舎も補修するという。 コンピューター工学部のOS研究本格化 金策工業総合大学コンピューター工学部では情報化時代を担う人材を育成している。 同学部では数年前から朝鮮語のリナックス(Linux)を土台にOS(コンピューターの基本プログラム)を開発・発展させる研究を行ってきた。 リュ・スンリョル学部長(54)は「総書記は、プログラム開発で基本はわれわれのOSを作ることだ、そうでなければ米国の財産をずっと増やす事になる、米国の後を追っていたら永遠に隷属されると語った。今までは力量も設備も不足したが、近いうちにOS開発のための国家プロジェクトチームも組まれることになるだろう」と話している。 リナックスの研究開発は独自的なOS開発に向けた第一歩だと言える。 コンピューター工学部では今までウィンドウズに対応したプログラムを開発していたが、現在はリナックスバージョンの開発にも取り組んでいる。また、今まですべての科目はウィンドウズ一辺倒で、リナックスを教える科目は1つしかなかったが、将来的にはリナックスをより重視しこれに対応した教育内容に改編していくという。 現在コンピューター学部の事業方向は、世界最先端技術導入と開発、そして経済関連の設備の現代化に寄与することである。 最先端技術分野では音声・文字認識プログラムを世界的な水準に引き上げることが当面の課題。「この分野では実績もあり、解決できそうだ」(リュ学部長) また、経済関連設備の現代化のために卒業生、在学生らが工場を支援する事業を展開している。今はどの工場にもコンピューターが導入されており、コンピューターの設置・開発・運営・補修で彼らが大きな役割を果たしている。【平壌発=李松鶴記者】 チョン・グァンチョン教務総長との一門一答 ―金策工業総合大学の役割は? わが大学は技術総合大学として国の強盛復興に役立つ人材育成を基本に事業をすすめている。また、国の経済を発展させるうえで提起される問題解決のための研究を行っている。 現在わが大学では教育内容全般を世界的な水準に到達させるため教員、学生が一丸となっている。 経済の各分野での生産活動の正常化、革新を達成するため研究・開発を行っている。またこれらの技術を生産現場に導入するための事業を行っている。 今まで金正日総書記は、わが大学を5回にわたり現地指導した。 最近では今年9月19日にわが大学を訪れ、大学の展示館をひとつひとつ見てまわった。新たな情報化時代の要求に合うよう教育事業の水準を引き上げ、科学研究事業も世界最先端の水準で行うよう指示した。 わが大学は1948年9月27日に創立された。17ある学部で約1万5千人の学生が学んでいる。卒業生は経済のあらゆる部門で生産を正常化させ、全面的な技術改良を推し進めるうえで中心的な役割を果たしていると言える。 わが大学は現在中国をはじめ周辺の国々と広範囲な科学技術交流を行っている。すでに各国の大学と提携し、科学技術研究討論会も定期的に開いており、今後はヨーロッパをはじめ多数の国々との科学技術交流を行おうと思っている。 今までわが大学ではさまざまなコンピュータープログラムを開発し、全国そして世界プログラム競演大会で高い評価を得ている。 これからも朝鮮の情報産業化を担っていく優秀な技術者を養成していくことだろう。 |