ウリ民族の姓氏−その由来と現在(15)
著姓、稀姓、僻姓、複姓に大別
種類と由来(2)
朴春日
では、わが国の姓氏の種類について、具体的に見ていくことにしよう。
この問題について、李朝時代の「陶谷叢説」(李宜顕著)は、わが国の姓氏数を約300姓とみなし、その姓氏が広く知られ、人口数も多いという意味の著姓(チョソン)、つぎに、それに比べて数が少ない姓氏という意味の稀姓(ヒソン)、そして、ごく少数の姓氏という意味の僻姓(ピョクソン)などに大別した。 いうまでもなく、以上の姓氏はすべて1字姓であるが、ごくまれながら2字姓も存在した。それを複姓(ポクソン)という。 こうした著姓・稀姓・僻姓・複姓の4分類を踏まえ、大姓・著姓・貴姓・稀姓・僻姓・珍姓・複姓の7つにわけた例もあるが、要はその姓氏を持つ人口数の順であるから、煩雑さを避ける意味でも、先の4分類に従うのが妥当であろう。 そこでつぎに、その4分類にしたがってわが国の姓氏を列挙したが、この中にはすでに存在しない「亡姓」もある反面、その後に生まれた新しい姓氏は含まれていない。 しかし、これは当時の、いわばわが民族の姓氏一覧表でもあるからして、少々長いが、一度は目を通しておきたい。なお、各姓氏の表記順は古文献にしたがったものである。 ◆著姓関係(53姓) ▽著姓――李・金・朴・鄭・尹・崔・柳・洪・申・権・趙・韓(12姓)。 ◆稀姓関係(60姓) ▽稀姓――田・玄・文・尚(サン)・河・蘇(ソ)・池・奇・陳・★(まだれに臾、ユ)・琴・吉・延(ヨン)・朱・周・廉(リョム)・房・方・潘(パン)・孔・王・★(人偏に契、ソル)・劉(リュ)・秦(チン)・卓・咸・楊・薛(ソル)・奉・太・馬・表(ピョ)・殷(ウン)・余・卜(ポク)・★(草冠に内、イェ)・牟(モ)・魯(ロ)・玉・丘・宣(41姓)。 以下、次号の僻姓項目へとつづく。(パク・チュンイル、歴史評論家) |