2001年度朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座

ターゲットの選定、メニューに変化


 在日本朝鮮人商工連合会・同胞飲食業者協議会主催の2001年度朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座の第1回目が16〜17日、東京・上野の朝鮮商工会館で開催され、全国各地から同胞朝鮮料理店経営者および後継者、役員、関係者ら50余人が参加(定員制)した。集中講座は今年で5回目。なお集中講座の2回目は11月13〜14日に行われる。

 講座では、朝鮮料理店経営に精通しているトップクラスのコンサルタント、清水均氏と東條伸一氏による講演、業界のトップを走る叙々苑のメニュー徹底研究および食事交流会、店舗見学、意見交歓会などが行われた。初日に行われた開講式では、主催者を代表して同胞飲食業者協議会の安海元会長があいさつ。参加者同士で積極的に本音を語り合い、味とサービスの真髄を探り、悩み事や相談事などを解決してもらいたいと語った。

 「朝鮮料理店の『勝ち組』経営」と題して講演した清水氏は、@外食産業の動向と「勝ち組」朝鮮料理店になる3つの条件A計画経営と年間予算管理の重要性B飲食店だからこそできる販売促進で顧客感動を呼び起こせC2002年に向けての朝鮮料理店の方向性――について発言した。その中で「勝ち組」になるには、@競合他店との位置付けを明確にする――どのような人をターゲットにし、どのような店にするのかA変化する環境に対応する――客が商品に飽きないようメニューに変化を与えるB新しいビジネスチャンスとする――時の変化を察知して新しいことにチャレンジすることだと語った。

 東條氏は「本物の顧客サービスで心をつかむ―サービスの考え方、販売促進、そして訓練」と題し講演。サービスについては、店の雰囲気を味わったり、何かの感動を得るために来店する客が増えており、それに応えられるよう、客の名前を覚えたり、会話上手になることも手段の一つだと語った。販売促進に関しては、@割引券やサービス券、ポイントカードを活用する際、客への還元という意味だけでなく、名前や誕生日、住所などの情報を得て、それを活用。礼状や誕生日カードなどを出したりすることで、接客に結び付けていくことが大切だと述べた。

 またアンケートのポイントとして、その場で内容を確認することが重要と指摘。改善点があればその場で謝り、良い点があれば感謝の意を伝えるなどして、客とのコミュニケーションを図っていくべきだと強調した。講演後、従業員教育の実際の訓練も行われた。

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 2日目の午後には新宿にある叙々苑数店舗を見学。まずは新宿新都心の都庁を見下ろせる、夜景が売り物の「東京オペラシティ53」を訪れた。次に、歌舞伎町にある同社の最高業態「游玄亭」で、メニューの徹底研究と食事交流会が行われ、受講者らは朴泰道社長(同協議会相談役)の話に耳を傾けた。

 受講者らは「朝鮮料理の原点について考えるきっかけになった」「学んだことを実践に移していきたい」「BSE(狂牛病)騒動で厳しい状況にあるが、政府の安全宣言が発表されれば回復に向かうので、初心に戻って店を切り盛りしていきたい」などと感想を語っていた。(羅基哲記者)

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