春・夏・秋・冬

 中国に続く、小泉首相の「日帰り首脳外交」。政府のトップだけに忙しい合間をぬっての日程調整ということはわかるが、それにしても「日帰り」とは。南朝鮮市民の間から「ノムハンミダ(あまりにもひどい)」の声が噴出したのは当然だろう

▼歴史わい曲教科書問題、それに火を注いだ「靖国神社」参拝。北南朝鮮、そして中国などアジア諸国から厳しい批判、非難を浴びた小泉内閣だが、一部の識者たちが指摘するように「どうにかして、まずは一区切りをつけたい」という底意がありありだ

▼それでも謝罪・反省の「日帰り」なら理解もできるが、「歴史の専門家が公正に判断できるような討議の場を作ることが重要ではないか」「二度と戦争を起こさないという強い気持ちから参拝した」とその意はまったくなし。逆に、植民地支配に触れ「(日韓)お互い反省しつつ」と、神経を逆なでする言葉まで吐き、謝罪・反省はしない、という本音をのぞかせた

▼結果的に、反省の弁を引き出したい金大中、幕引をしたい小泉両政権の妥協の産物として「日帰り首脳会談」が実現したと見れるのだが、ではなぜこの時期だったのだろうか

▼「今月下旬、上海でAPEC首脳会議が開かれるが、その場に歴史問題を引きずって、角を突き合わせるわけにはいかない。それまでに形はつけたいという『あうん』の呼吸」とは、外務省に近い人物の見方。「そこにニューヨークでの事件。矛は収めるしかなかった」というが、自衛隊はそれにかこつけて出動する。その先には朝鮮半島が見すえられている。(彦)

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