医療−最前線

続・心の病


 先週に心の病について書いたが、反響が多かったので続編を書くことにする。薬物中毒の患者さんは、ほとんどが救急車で運ばれてくる。本人が、何らかの理由で薬物を使用し、ぐったりしているところを家族が見つけ救急車で来院する。

 通常、薬物を使用した患者が来た場合、外来の処置としては点滴で流すしかない。状態にもよるが、通常、500ミリリットルの点滴を2、3本使う。後は安静状態にして経過を見る。

 薬物についてだが、今の薬は改良されているので、年齢と体調にもよるが、大量に飲んでも昔みたいに簡単には死なない。私が勤務する病院では近年、薬物中毒で亡くなった患者を見たことがない。

 心の病で代表的なのが、「うつ病」である。ストレスが主な原因の現代病といえる。現代社会はストレスの要因がいっぱいある。会社組織で働くサラリーマンは仕事に対する不安などがそれである。ストレスによる精神的・身体的な不安状態が進むとうつ病になる。ストレスをどのように発散するかが重要だ。しかし、これがなかなか難しい。方法として、お酒を飲む、旅行に行く、娯楽を楽しむなどがあるが、簡単に治る病気ではない。うつ病は知らないうちにかかる病気である。早期に発見し専門医の診察を受けカウンセリングを受けるなり、抗うつ剤、精神安定剤などの投薬治療をするのが良い。しかし、それはどこまでも補助的なもので、家族がいち早く気づき対策を立てる事がより大切だ。家族のきずなが一番大事ではないかと思う。(李秀一・医療従事者)

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