山で元気!

燕岳、槍岳
(2763メートル、3180メートル、長野県)

眼前に広がる大パノラマ景色に感動


にっこり笑顔。燕山荘前で記念写真におさまる参加者ら
 8月6日から9日にかけ、東京都練馬、中央・江東、足立、荒川、北、板橋の各登山会から16人が参加し、北アルプスの表銀座コースを登山した。一般組は中房温泉〜燕岳〜大天井岳往復2泊3日、健脚組はもう1泊延泊し、さらに槍岳〜上高地を縦走した。

 一行は、温泉浴で心地よい汗を流し翌日の登山に備えた。2日目、朝6時の出発間際から雨。登山口からすぐ急こう配の山道が続く樹林帯、カラマツからダケカンバ、コメツガ、クマザサ、さらにハイマツ帯に変わっていく。途中のベンチで休み、休憩の頃には雨もあがる。夏の雨は涼しくてよい。北アルプス3大急坂と呼ばれる合戦屋根を登りつめ燕山荘に到着、チェックインして燕岳を往復した。山頂は風化花崗岩の奇岩、北斜面には白い砂れきにコマクサの大群落が広がっていた。

 3日目、雲海の向こうに昇る日の出を迎えた。明けていく西空の下、大きな谷を隔て、岩峰を連ねる山並みに、稲先を青空に向けた槍岳がひと際高く、遠く望まれた。昨日霧の中に隠れていた大パノラマが広がる日本アルプスの屋根を見渡す素晴らしい光景に「ワ〜ッ」と感動の声が上がった。

 6時出発、3000メートルの稜線を展望しながら大天井岳へ向かう。高山植物群に彩られた起伏の少ない快適な道は雲上の遊歩道。途中でコース別に別れる時がきた。女性2人を含む健脚組は、往路を戻る皆の見送りと激励を受け、表銀座縦走コース槍岳へ向かった。岩場を鉄ハシゴや鎖で渡り、岩壁を伝い、キレットを越え、登り下りを繰り返すスリルと変化に満ちたハイライトコース。午後6時にやっと大槍ヒュッテに到着。疲労困ぱいで食欲もなく冷えたビールが格別にうまかった。

 4日目、激しい雨と強風、霧の中、槍岳登頂を果たし、槍沢を下った。霧の晴れ間に見え隠れする岩壁と残雪の山肌、深山幽谷静寂の山峡にしじまを破る滝音、瀬音が響き渡る。下るにつれ、背丈を大きくする草花を見ながら、上高地へ下った。
(板橋健脚会李福権)

 【コースとタイム】中房温泉(泊)〜燕岳〜燕山荘(泊)〜大天井岳〜大槍ヒュッテ(泊)〜槍岳〜上高地(歩行時間3日間合計26時間)

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