春・夏・秋・冬 |
先日、家の近所で夕食の買い物をしていた時、宣伝文句に目を引かれ思わず肉屋に飛び込んだ。何とあの松阪牛が半値だという。BSE(狂牛病)騒動と関連してのものだが、わが家の食卓に高級和牛ステーキが上ったのはいうまでもない
▼BSEの原因とされる肉骨粉飼料。滋賀県立大学の鄭大聲教授によると、動物肉を飼料化して牛に与えるやり方は、1920年頃米国で考案されたそうだ。乳牛の飼育で多くのミルクを得るために、たんぱく質、カルシウムの補給が求められたためだ。肥育が早かったのも1つの理由。肉骨粉は高たんぱくでカルシウム、ビタミンが豊富だったという。だが、もともと草食動物であった牛に肉食をさせてしまったわけで、これが自然の摂理に反していたというべきか ▼今騒がれている和牛だが、例えば黒毛和牛は搾乳をしないので、肉骨粉が使われることはない。和牛は霜降り肉にするために穀物飼料のほか、ビールの搾りかすなどを飼料とする。動物性の飼料を使う必要がない。松阪牛の場合も、実際に飼育をしている人が「植物性のえさの方があっている」と話す ▼BSEに感染した1頭の牛が発見されたことで、日本全土がパニック状態。だが、まずは正確な知識を得ることが必要だろう。大本となるえさももちろんだが、部位に関しても知っておいてほしい。プリオンが蓄積されない部分なら、食べてもまったく問題はないのだから ▼そうすれば過剰に反応する必要がないこともわかる。求めやすくなっている高級和牛で、今夜あたりすきやきでもどうですか。(聖) |