取材ノート

続々輩出されるIT人材


 9月中旬に幕張メッセで開かれた「ワールドPCエキスポ2001」の目玉はウィンドウズXPだったが、本紙的には潟fジコソフトの初出展が一番のニュースだった。朝鮮のIT(情報技術)研究機関と提携してソフトを共同開発する同社の設立は昨年11月。今回の出展が事実上のデビューである。

 そのデビューを華々しく飾るべく、朝鮮から6人もの技術者が来日した。団長を除いてはみな30代と若いが、博士、準博士の肩書きを持ち、ソフト開発においては指導的立場にいる人たちだ。

 彼らの所属を聞くと、科学院が1人、金日成総合大学が1人、金策工業総合大学が2人、理科大学が1人だった。この4つに朝鮮コンピューターセンター、平壌情報センターを加えた6つの機関がIT分野で中心的役割を果たしているそうだ。

 中でも金策工業総合大学は、IT技術者の大半が本大学の卒業生と言われるほど多くの人材を輩出している。ソフトウェアの研究開発が中心で、情報センター、コンピューターセンター、コンピューター学部がある。以前は工業大学だったが、4年ほど前にIT部門のトップ校として総合大学に昇格したとされる。

 来日メンバーである同校情報センター研究士の李上龍氏(35)によると、研究者にとっては非常に良い環境だという。なにしろ、翻訳ソフトなどは3年先を見越して研究すればよいのだから。同じ研究士の車在賢氏(32)も、「自分の研究テーマにじっくり取り組める」と話す。

 ここ数年、IT部門に力を注いでいる朝鮮では、高等中学校時代から素質ある人材を連れてきて専門的な勉強をさせている。この時期に独自のソフトを開発する者までいるそうだ。

 早期発掘と環境の整備。このような政策によって、現在、IT部門における人材は続々と輩出されているという。(聖)

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