たばこにサヨナラ!

見えない粒子に発ガン物質
吸わない人にも悪影響


 やっかいな問題ではある。「たばこ」である。喫煙者か非喫煙者でたばこに対する考え方は、まったく違う。しかし、誰でもが健康で長生きしたいと思っている。ならば、「健康に悪いたばこ」(世界保健機関=WHO)がせめて、他人に被害を与えないようにする方法はないものか。一緒に考えたい。(朴日粉記者)

 WHOは毎年5月31日を世界禁煙デーと決めている。毎年、この日から禁煙週間が始まる。また、標語やたばこの害へのさまざまな警告を込めた報告書も発表されている。今年は女性の喫煙率が急上昇していること、25年後には世界規模で20%に達するとの衝撃的な数字が公表された。将来は女性の4人に1人が間接喫煙も含め、たばこが原因で死亡する恐れがあるとの指摘がなされた。まさしく人類存亡の危機だと言っても、おおげさではない。

 たばこが健康に悪い、という証拠は、年々積み重なっている。周りの人が受ける健康被害については長年論争が続いた。何せどこの国でもたばこ産業の圧力があって公に言い出せなかったのだ。しかし、世論に押されて1992年、アメリカ環境保護局は、空中に漂うたばこの煙をアスベストやラドン級の発ガン物質と認定。世界中で行われた30件の調査を総合判定して出した結論だった。

 日本がん疫学研究会も3年前、日本のガンの最大の要因は喫煙だとして、「喫煙を始めない、喫煙をやめる、受動喫煙を防止(分煙)するよう、個人的にも公的にも努力すべきである」と提言した。

 しかし、禁煙をするのは、簡単ではない。ニコチンの持つ強力な依存症とも闘わねばならない。何よりもたばこが他人の健康に悪影響を及ぼすと分かって吸う、というのはモラルの低さも露呈している。

 たばこを吸わない人が、最も困るのは「受動喫煙」。喫煙後の部屋に漂う目に見えないたばこの粒子を吸い込む危険性である。

 煙が見えなくなってもたばこの粒子は何時間でも室内に漂っているという。また、粒子の中に発ガン物質が含まれている。その粒子は部屋全体に広がるので完全な仕切りがないレストランや職場での分煙は意味がない。

 だから「家庭での分煙には、ほとんど意味がない。たばこを吸った後は窓を開けて換気する必要がある」(橋本正史・大阪府立公衆衛生研究所公害衛生室長=朝日新聞6月25日)と専門家は警鐘を鳴らしている。

 それでは喫煙しない人はどうやって健康を守るべきか。今、ただちにできることは、換気が悪い部屋で会議をしない。また、会議を始める前に窓を開ける程度のモラルを持ちたい。

 さらに、職場で@分煙を徹底させるA会議中はたばこを吸わない――などを決めたらどうだろう。

 同胞社会は、まだまだ封建的で、女性や子供がそばにいても遠慮もしないで吸う人も多い。自分がたばこを吸っても吸殻すらかたづけない者もいる。教育上も良くない。こういう人にはぜひ「ノースモーキング!」と声をかけたい。「健康に生きる権利」は誰にもあるのだから…。

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