春・夏・秋・冬

 ショッキング極まりないニューヨークでの事件のあおりを受けて、あまり報じられなかった第5回北南閣僚級会談。日本の各紙とも非常に地味な扱いだった。本紙では共同報道文の全文、解説記事を掲載して、9ヵ月ぶりに開かれた会談の内容を詳細に伝えた

▼今会談の成果は、時間的な空白はあったものの6.15共同宣言の履行を再確認しながら、北南当局が和解と協力の原動力である民間レベルの交流事業などを積極的にバックアップしていくことを明確にし、その上で前回会談までに合意した項目の具体化を詰めた点にある

▼経済協力分野においてとりわけ金剛山陸路観光の開発、開城工業地区造成事業の推進を約束し合ったことは、民族史的な意味を持っている。「共同宣言の履行において転換的契機」と北側団長は会談で発言したが、まさに「転換的契機」の象徴だといえるだろう

▼開城に新義州―ソウル間の鉄道、開城―★(さんずいに文)山間の道路が通り、北南の人、物、技術が行き交う――こうした光景を想像するだけで胸がわくわくする。また金剛山が陸路で観光できることになれば、将来的には北からの雪岳山観光も可能になるだろう。分断の象徴だった軍事境界線が鉄道と道路によって寸断され、統一に向けて走る北と南の強い意思を、朝鮮民族のみならず国際社会に見せつけることになるのだ

▼合意事項の文面だけを見ると、同じ語いが並ぶ場合が多いだけに、こうした本質的な変化は見逃しがちだ。しかしその変化は、われわれ在日同胞の生活と地位を根本から大きく変えることになる。(彦)

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