東京都、全朝鮮小中に非常通報装置設置へ


 東京都が都内の全小、中学校に設置することを決めた警察への非常通報装置が、都内に11校ある朝鮮初中級学校をはじめとした外国人学校にも設置されることになった。

 大阪教育大学付属池田小学校での児童殺傷事件を受け、都が非常通報装置の設置を決めたのは6月末のこと。対象は、「公立・私立を問わずすべての小・中学校」となっていた。

 報道を通じてこの事実を知った在日本朝鮮人東京都教育会と教職同東京都本部では、以前から交流のあった東京中華学校、東京韓国学校に呼びかけて、7月2日に都を訪れ、外国人学校にも差別なく装置を取り付けるよう要望した。

 その際、都の担当者は、「外国人学校は念頭になかった」と答え検討を約束。その後、朝鮮学校や中華学校関係者のたび重なる要望を受け入れ、子供の命を守るという観点から外国人学校にも差別なく装置を設置することを決めた。

 設置される非常通報装置は、緊急時にワンタッチで110番通報できるものだ。来年3月まで東京都内のすべての朝鮮初級、初中級学校を含む5000校に設置される。予算は15億。

 都内の朝鮮学校と外国人学校は、合同絵画展などを開いたり都に助成金アップを求めるなど、昨年から地道な交流を深めている。金順彦・都教育会副会長は、「外国人学校と連携し、すばやく対応したのがよかった。われわれが異議を唱えなければ、対象から外れていただろう」と話す。

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