コリアン映画祭2001・神戸  9月19日−24日

北南朝鮮の名画8作上映

ぐっと近づいた距離感、親しみも


 去る9月19日から24日にかけて「コリアン映画祭2001・神戸」が兵庫県にある神戸アートビレッジセンター(主催同センター)で開催され、南北朝鮮8作、ほか1作の映画が上映された。

 映画祭は朝鮮通信使行列再現や講演会など、日本と朝鮮半島の文化交流事業が行われた、兵庫区歴史文化交流フェスティバルと連動して企画された。

 普段目にすることがまれな朝鮮映画を、ぜひ観ようと6日間で延べ300人の観客が会場に足を運んだ。

 北側からは歴史を題材にした、「朝鮮地図物語―金正浩の生涯」、「安重根と伊藤博文」、朝鮮初のアクション映画「快傑・洪吉童」の3作品が上映された。

 神戸アートビレッジセンター事業課の樋野香織さんは朝鮮映画について「OLDファンにとって観やすい映画だ。そのせいか観客は年輩の男性が多い。(「安重根と伊藤博文」について)安重根は日本の教科書では一行くらいしか扱われない人物。この映画を通じて日本では暗殺者である彼が、朝鮮では英雄であるということがわかる。日朝の歴史観に深い隔たりがあることを実感させてくれる映画だ。親しみもわいたし、距離感もなくなった気がする。これからはもっと新しい朝鮮映画を、上映できる機会があればと思っている」。

 朝鮮映画ファンで埼玉県から駆けつけたという高木氏(32)は「3つの作品を興味深く鑑賞した。これからも南北の朝鮮映画をたくさん観てみたい。特に今回のような古い映画の発掘をしてもらいたい」。

 「安重根と伊藤博文」を観た神戸市内の野村氏(62)は「日本人が知っていなくてはいけない歴史だ。後世に伝えるべき映画だと思う。今後、できれば日本と朝鮮で映画を協力して制作できればいいと思う」と感想を述べた。(金香清記者)

映画の内容

「朝鮮地図物語」

  1861年朝鮮で一番優れた古地図「大東興地図」をたった1人で完成させた金正浩の半生を描いた伝記映画。

「大東興地図」

  1898年、日帝が60人の測量技術者と2〜300人の労働者を雇い1年かけて完成させた地図とほとんど変わらないことで当時の人々を驚かせた。外国からの侵略の助けになると、いわれのない罪で地図を焼かれながらも人生の全てをかけて地図を作る金正浩の情熱は観るものの心を打つ。1966年/100分/監督チョン・ウンボン/白黒。

「安重根と伊藤博文」

  日本がソウルに置いた朝鮮統監府・初代統監伊藤博文を射殺した、朝鮮青年安重根が主人公。安重根烈士は1907年義勇軍に属し、1909年血を流し倒れて行く11人の同志の姿を、目の当たりにして自らの指を切り救国闘争に身を捧げることを決意。同年、伊藤博文暗殺を決意する。1979年/160分/監督オム・キルソン。

 

 

「快傑・洪吉童」

  1440年代全羅南道に生まれたという洪吉童を主人公にホ・ギュンが書いた小説「洪吉童伝」を映画化したもの。吉童は幼い頃に母と旅行中山賊に襲われ、仙人に命を救われる。彼は仙人のもとで修行を志願し、20年後、超人的な武術家に成長する。一方、幼い頃より愛し合っていた貴族の娘との結婚は彼の身分が卑しいとの理由から一方的に破棄されてしまう。1986年/115分/監督キム・キリン。

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