朝鮮のIT研究機関と共同開発  デジコソフト

ワールドPCエキスポ2001に初出展


 9月19日から22日まで日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開かれたアジア最大のデジタル総合展「ワールドPCエキスポ2001」(日経BP社主催)に、科学院など朝鮮のIT(情報技術)研究機関と提携してソフトウェアの共同開発を手がける潟fジコソフトが初出展した。出展に合わせて朝鮮からトップレベルの技術者6人も来日。デジコソフト社員とともに、会場で解説、説明にあたった。朝鮮で開発されたソフトが初めて展示されるとあって、連日大勢の人がブースに立ち寄り、説明を受けたり、実際に試すなど、反応は上々だった。(経済・経営欄に関連記事)

成果の一端を紹介

 デジコソフトは今回、画像保護などのセキュリティー関連ソフト、音声認識、朝・日、日朝翻訳などのコミュニケーション支援ソフトを展示した。

 朝鮮から来日した技術者代表団団長の金基哲・朝鮮コンピューターセンター副技師長によると、今回の出展の目的は主に3つ。  

 まず、デジコソフトと朝鮮のIT研究機関が共同で開発したソフトウェア製品の展示を通して、朝鮮におけるIT研究開発の成果の一端を紹介。つぎに、日本をはじめとする諸外国のソフトウェア市場への参入を拡大する契機にするとともに、あわせて日本企業、ソフトウェア関連会社を対象にセミナーを開き、具体的な契約、提携の可能性を探ろうとするものだ。

目的おおむね達成

 こうした目的はおおむね達成されたと言える。

 デジコソフトのブースには、朝鮮で開発されたソフトということで関心を示す業界関係者、技術者らが多数訪れ、デジコ社員や朝鮮の技術者の説明を熱心に聞いていた。

 セキュリティーソフトの販売に携わる23歳の男性は、市場調査と情報収集のためにやってきた。「購入する立場にはないが、説明は非常に分かりやすく興味が持てた」。

 大手ソフトウェアメーカーに勤めるサラリーマンは、「朝鮮で開発されたソフトだと聞いて興味を持った。自動翻訳の速さには驚いた。独創性で勝負すれば、十分、市場にも参入できると思う」と関心を示していた。

 情報処理の仕事に携わる40代の男性は、翻訳ソフト、話速変換ソフトに興味を持ったという。「翻訳ソフトはレスポンスがいい。速度も魅力だ」という。キーボードを使わず音声で数字が入力できる音声認識ソフトに関しては、ぜひ購入したいという人もいたほどだ。

発展の早さに驚く

 金団長は、業界の世界的なすう勢を把握し、それに応じて技術水準を高めるのも展示会参加の目的の一つだと語っていた。

 実際、今回の展示会には、日本企業だけでなく米国、インド、シンガポール、フランス、上海、台湾、南朝鮮など各国・地域も参加した。

 朝鮮から来日した技術者らは時間の合間をぬってほかのパビリオンも見て回った。「IT分野の発展速度が非常に早いことに驚いた。製品の質も高い。これからも、こういった催しにどんどん参加して世界のすう勢に敏感に対応していきたい」(金団長)と意気込みを見せていた。

 代表団は今回の来日を機に、日本企業やソフトウェア関連会社などを対象にしたセミナーを開催し、展示会場で記者会見を開くなど、積極的にアプローチした。

 21世紀を「情報の時代」と位置付ける朝鮮。今回の展示会への参加は、ソフトウェアの分野で国際市場に進出する意欲を示したものと言える。

 その日本における窓口業務、代理業務をデジコソフトが果たしていくことになる。(文聖姫記者)

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