米国でのテロ事件口実 自衛隊の海外派兵
日本の動向、最近の朝鮮の論調
朝鮮に対して植民地支配の謝罪と補償を拒否し敵視政策を取り続ける日本が、米国におけるテロ事件を口実に自衛隊の海外派兵を実現しようとしていることについて、朝鮮のマスコミは「アジア再侵略の準備」などと警鐘を鳴らしている。最近の論調をまとめた。
労働新聞論説(9月25日付) 米国と日本は、朝鮮の「軍事的脅威」の度合を強めて言いふらすことにより、それを盾にしてかつて自らが朝鮮人民に犯した罪に対する謝罪と補償を回避し、武力増強を推し進め、世界的な軍事的優位を占めて自らの支配主義的な野望を実現しようとしている。 「北朝鮮脅威説」を流している米日反動層の目的は、これを口実にして新たな朝鮮侵略戦争の導火線に火をつけることにある。 日本反動層は、近いうちに「日本周辺の有事」における「共同対応」なる戦争計画を発表することになっている。同計画は、朝鮮戦争に力点を入れた冒険的な米日共同戦争計画である。 今日、「北朝鮮脅威」という米日反動層の謀略宣伝は、危険な戦争前奏曲となっている。それゆえわれわれは、米日反動層の悪らつな対朝鮮敵視侵略政策に超強硬措置で対応しているのである。 朝鮮中央通信論評(9月24日発) 米国のテロ事件をめぐって日本がただならぬ動きを見せている。テロ事件直後から政府と与党、「自衛隊」内では、「自衛隊」法の改定案を国会に提出する、米軍の軍事的攻撃を支援するための新しい法律を採択する、などと騒ぎ立ててきた。 このような政治的・軍事的背景のもとに9月19日、日本の最高当局者は、米国の軍事的攻撃を支援するための7項目の支援策を発表した。支援策の要点は、米軍への兵たん支援の名のもとに、「自衛隊」の武力を公式に海外へ派遣するということである。 周辺諸国が日本のずるがしこい行動に極度の警戒感を表すのは、その意図が「テロ防止」とその「根源の清算」を基本的な目的としていないからである。 日本は現在、湾岸戦争当時に巨額の資金を出したにもかかわらず、国際的に評価を受けなかったので今回は実質的な「軍事行動で寄与すべきである」と力説しているが、彼らの真意はそこにあるのではない。 目的は明白である。 日本は米国のテロ事件に乗じて「自衛隊」の活動範囲を制限なく拡大し、アジア侵略のための法律的・制度的装置を設けようとしている。 日本の最高当局者が今回発表した米国への支援策が国会で法律化され、施行されれば、アジア太平洋地域はもちろん、全世界に対する「自衛隊」の海外派兵が完全に制度化されることになる。決して無関心であってはならない。テロ防止としてのみ意識し、軽視すべき問題ではない。 民主朝鮮論評(9月21日付) 日本の反動勢力は最近、日本に対するわれわれの「大規模なテロ」を想定した分析を行うなど、誤った世論を流している。これは米国での大規模なテロ事件をめぐって複雑化する国際情勢の推移を、日増しに高まるわが国の権威を損ね、戦時中の日本の蛮行に対する国際的な抗議と糾弾の声をトーンダウンさせることに利用しようとする日本反動勢力の愚かな打算のもとに制作された下手な演劇に過ぎない。 朝鮮中央通信論評(9月15日発) 日本警察庁は10日、「北朝鮮による日本人ら致疑惑」は「疑惑ではなく容疑事案」であるという挑発的な立場を表明した。言わば、今まで論難の対象となってきた「ら致疑惑」という正体不明の事件を朝鮮による「日本人ら致」として既成事実にしたものである。 日本警察当局は、国際社会で朝鮮を「テロ国家」として公認させる一方、「ら致疑惑」説に批判的な日本の世論を抑えようとする卑劣な目的を追求している。 民主朝鮮記事(9月25日付) 人々は、自国の戦争犯罪を認めて謝罪し、ばく大な人的、物的被害を与えた国々に補償を行っているドイツの姿からそれと正反対の道を歩んでいる日本の醜態と正体を見極めている。 人々が過去の清算に対する態度でドイツと日本を比べるのは、この両国が過去、ともに戦争犯罪を働いたいわゆる「同盟国」だったからだ。 ドイツは新世紀に入っても補償活動を続けている。ドイツの各企業は5月、ナチス時代の強制労働被害者に45億ドルの補償金を支払うという政府の決定を受け入れた。議会は、補償金の支払いに関する法案を通過させ、それを法律的に保証した。 同国政府は最近、第2次世界大戦中に東ヨーロッパと世界の他の地域から連行され、強制労働を強いられた人々に対し、2003年まで補償金を支払う意向を発表し、実践的な措置を取っている。 しかし、日本は半世紀以上過ぎた今日まで罪悪の過去を認めもせず、謝罪と補償も回避している。日本は、旧日本の戦後補償問題が「サンフランシスコ講和条約」によってすでに解決されたので自国には補償の義務がないと愚かな主張を並べ立てながら、過去清算の責任を免れようと躍起になっている。 過去の清算はしてもしなくてもかまわない性格の問題ではない。それは時代の要求であり、日本の未来に関連する死活問題である。 日本は、過去の清算なしには何もできず、日本の明るい前途は期待できないということをはっきり認識すべきである。 過去の清算こそ、日本を道徳的破滅から救い出すことのできる唯一の道である。(以上朝鮮通信) |